第7話
で、次の街はどこ?
迷った。完全に迷った。
次のどっかの街の酒場で魔王城の場所訊こうと思ったのに…
あたりを見周しても木、林、森。
嫌になってくる。
「なあ、シルフィ」
「なによ?」
「魔王のところに行くんだったら勇者について行ったらいいんじゃないのか?」
「時間はかかるけど……、それが一番確実よ」
そうか、失敗したな。
まあ、嘆いてても仕方ない。まずはこの森を越えないと。
「なに?もしかして迷った?」
シルフィがニヤニヤして訊いてくる。ひねり潰したくなるぜ。
「うるさい。緑虫」
「みどっ!!?」
こいつの外見はまさに緑虫だ。腰まである髪の毛も深緑。服も緑と白だ。肌以外緑だらけ。まさに緑虫。
「これは天然なの!それに結構気に入ってるんだからね、この緑」
「分かったから道教えろ。このままじゃ埒があかん」
「残念だが、その必要はない」
突然後ろから声がする。振り返って見てみると第1話で俺を牢にぶち込んだ綺麗なお姉さんがいた。
正式な騎士の鎧で腰にはレイピアがある。黒く長い髪はポニーテールにしており、背は女にしては高く体も無駄な筋肉は一切ない。
とぼけてみるか。
「あのー、どちらさんで?」
「脱獄者がよく言う。どうやって逃げ出して来たかは知らんが今度はその首を刎ねてやろう」
牢屋の前に兵も誰もいなかったじゃないか。パレードだからって気を抜きすぎだ。
「シルフィ、どうにかしろ」
「精霊王はそう簡単に人間に干渉できないのよ。諦めなさい」
むう、やるしかないか。
「美女の相手をするのは本望だができれば夜にしてもらいたいね」