第4話
「ワレワレハウチュウジンダ」
全身黒タイツが話しかけてきた。お前一人なのにワレワレって…
どうしますか?
1 「ようジョニー。ひさしぶりぶり」
2 「お前、体毛すごいな…」
3 「ワタシハチキュウジンダ」
「全部話しかけてんじゃねーか!!」
慌てて飛び起きるが…
「つっこみがあまーい!」
「ブッ!!」
な、なんか顔面に当たった。めちゃくちゃいてぇ。
「なにしやがる!」
声のしたほうを向くが誰もいない。
「あ?もしや透明人間?」
「違う!ここよ!ここ!」
視線を下に向けると
「妖精?」
「そうよ」
そこには羽が生え、深緑の長い髪の妖精がいた。
「ちっこいな」
「ちっこい言うな!」
見えない何かが顔のすぐ横を通り過ぎる。おおう。かすったぜ。
「今のは何だ?」
「さっきあんたの顔にあてたやつよ。風の魔法の初歩の初歩」
「で、その妖精さんが俺に何のようだ」
「あら、命の恩人に向かってそれはないんじゃない?」
「お前がここまで運んで来てくれたのか?」
周り木がいっぱいある。おそらく何処かの森だろう。
少し驚いたように顔を向ける。手のひらサイズだ。
「魔法よ、魔法」
「ふ〜ん。そうかありがとな。俺はカイム・アルベルトだ」
「あたしはシルフィよ」
「シルフィ?風の精霊王のか?」
これには真面目に驚いた。精霊王はこの世界に8体しか発見されていない。
風、炎、雷、氷、水、地、光、闇だ。
しかも普段は精霊界に居て、こちらでは見ることができない。それこそ奇跡なのだ。
「ええ。もちろん嘘はついてないわ」
「へー」
「……疑わないのね」
「いや、文献に風の精霊王はちっこいって載ってたからな」
もちろん嘘だが。
「そ、そう。少しショックだわ」
少しどころか死ぬほど落ち込んでいる。小さいことがコンプレックスなのだろうか。
「まあ、立ち話もなん…」
「座ってるわ」
「………」
「………」
き、気まずい。つーかすぐ返してくんな!こうなったら……ッ!!
「ど、どうしたの!?」
いきなり立ち上がった俺にシルフィはビックリしたようだ。
「いや、肉のにおいがする」
「肉?」
「ああ。ただし生肉だ」
「生肉?」
しつこいな。ちっこいくせに。
「ほら、来たぜ」
暗い木々の間を指さす。
「さあ、今日の朝飯は何だ!?」