第2話
あれ?俺今まで名前出てきてないな。主人公なのに…。まあ、あらすじで出てるからいいけど。一応、俺の名前はカイム・アルベルトだ。うん、カッコイイ。
ちなみに外見は…容姿、普通。背、180ぐらい。結構高いだろ?髪、銀髪…じゃなくて普通の黒。眼の色も黒。ひょろっとしてて、少し目つきが悪い。というか山賊Bの外見。やだな。
普通だね♪
「なっ、なんだ!今電波が!」
というかこの世界に電波はないな。あー、道行く人よ。俺をそんな目で見ないでくれ。とても傷つくから。
「というか。俺が捕まってたところって王都かよ。流石に広いな」
そうここは王都イフナリア。大陸で三番目に大きいらしい。微妙だな。
さっき牢から出たばかりで太陽の光がまぶしい。それにしても見張りの兵隊は一人もいなかったな。なんでだ?
「見たことないものばっかだ」
と言いながら周りを見渡す。
見たことない楽器。衣服。武器。人も知らない人種がいる。
そんなこと考えていると…
ぐううぅうぅ。
は、腹減った。当たり前だ。昨日から何にも食べてない。なんかうまいもんが食いたい。が、いい匂いがしない。近くには食い物屋もない。つーか金がない。盗めばいいけど…。
いや、時代は食い逃げだ。
というわけで居酒屋は…
あった。居酒屋だ。なにか食いもんがあるだろう。しかし向こうの通りにある。というわけで居酒屋に行きたいんだが…。
なんじゃこれ?
町民たちが中央通りを平行に囲んでいる。それも凄い数で。これじゃ向こう側にある居酒屋に行けない。かろうじて看板が見えるくらいだ。
よし、そこの青年に訊いてみよう。
「ヘイ、そこのナイスガイ。今日はパレードでもあんのか?」
「ん?あんた知らないのか?今日は勇者様の帯剣式だぞ。聖剣を王女様から頂くんだ」
ちなみにこの青年はあまりナイスガイじゃない。
「勇者?」
「ああ。魔王を倒すために旅に出るんだとよ」
そりゃご苦労なことで。俺なら逃げるぜ。魔王なんてこわ…ん?魔王?
「それだっ!」
「うおっ!なんだ!?」
「いや驚かせて悪い。いろいろ教えてくれてありがとな。じゃ」
「あ、ああ。じゃあな」
歩きながら手を振って離れていく。ああ、いい奴だった。もう出番ないと思うけど。
よしそれでなぜ魔王で反応したか教えよう。まず俺は犯罪者だ。そして新米だ。なりたてだからな。そういうわけで師匠が必要だ。なぜって?なんでもだ。
と、いうわけで俺は魔王に弟子入りする!もちはもち屋だ!いざ!魔王のもとへ!