第二十四話
本日二話目です。
「何をしてるの?」
重い沈黙を破ったのはジャスティンの声だった。
いつから居たのか、ジャスティンはアデレイド達から少し離れたところに立っていた。
「君達は揃うとろくな事がないね。
馬鹿な争いの果てにアディを泣かせる」
ジャスティンの底冷えする様な低い声。
その声には抑え込まれた怒りを感じる。
ブレントはジャスティンの言葉を聞いて、勢い良く振り返った。
急な動きに驚いたアデレイドが瞬きをすると、瞳から涙が零れる。
ブレントは息を飲んだ。
「アデル」
ブレントはアデレイドに触れようとしたが、ジャスティンの言葉が遮った。
「アディに触るな。
泣かせた君にはアディに声をかける資格もない」
ジャスティンは言いながら、アデレイドとブレントの間に入る。
至近距離では体格の差は歴然だ。
だがジャスティンは怯むことなくブレントを見上げる。
「オールディス、カーヴェル、反省しろ。
何の為の争いか。何を守りたいのか、よく考えろ。
考えた上でまだ争うのなら、アディのいないところで勝手にすればいい」
「・・・・・」
いつものふにゃふにゃとしたジャスティンがいなくなってしまった。
一昨日から、なんだかジャスティンが頼もしい。
「アディ」
ジャスティンは振り返ると優しい声を出した。
「昼食を食べに行こう?」
「でも・・」
アデレイドは躊躇した。
この状態のブレントとグレアムを置いていっていいものか。
ジャスティンは懐からハンカチを出すと、アデレイドの涙を拭いた。
「いいんだよ。二人とも頭を冷やしたいだろうし。
二人で話したい事もあるだろうし」
ブレントとグレアムを見れば、ブレントは眉間に皺を寄せて黙っている。グレアムも難しい顔だ。
アデレイドは心が折れた。
今のこの二人と話してもアデレイドには何も出来そうにない。
それどころか自分の感情の制御も出来ないのだ。
ジャスティンに甘えて、ここは去らせてもらおう。
アデレイドはジャスティンの促すままにそこを後にした。
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「アディ、大丈夫?」
いつもの東屋へと向かう廊下。
気遣う様に声をかけられ、ジャスティンの優しい声が心に響く。
アデレイドは俯いていた顔を少し上げた。
「大丈夫よ。ごめんね、ジャス。
私、今日はおかしいの。
泣くほどの事じゃないのに、我慢が出来なくて・・。
だから、気にしないで」
「我慢なんかしなくていいよ。
辛い時は泣いていいんだよ」
ジャスティンの言葉にまた涙が浮かぶ。
本当に今日はおかしい。
ぼーっとしているせいか、考えが纏まらず、頭で考えるより感情が動いているみたいだ。
自分がとても不安定だと感じる。
ハンカチで涙を拭いていると、ジャスティンが止まった。
アデレイドも止まって顔を上げると、廊下の先に茶色い髪の地味な少女がいた。
ダーレン・ギブリングの妹、カーラだ。
彼女はアデレイド達に気付くと、一瞬躊躇したもののアデレイドの方へ寄ってきた。
内気そうな外見と同様、声も小さい彼女はおずおずと話し始める。
「アデレイドさん、兄が本当にごめんなさい」
カーラはこれでもかと頭を下げる。アデレイドは慌てて、彼女の頭を挙げさせようと寄り添った。
「カーラさん、あなたのせいじゃないから。頭を上げて」
「いいえ、だって兄がしたことだもの。私もそれを止められなかったのだもの。
本当にごめんなさい」
「カーラさん、謝らないで。
私もあなたのお兄様を怒らせてしまったから。だから、もういいの」
カーラは顔を上げると、至近距離にあるアデレイドの目を見つめた。
同性には魅了は効かないと分かっていても、つい視線を逸らす。
「アデレイドさん、兄も反省しているの。
女性を殴るなんて、最低の行為だって。謝りたいって言ってるの」
「・・・」
あのダーレンがそんな殊勝な事を思うだろうか。
しかし反省室に入れられて、お高い矜持がポッキリ折れたのかもしれない。
もしくは表面上だけでも謝って、名誉を回復するつもりか。
「ねえ、アデレイドさん。お願い。兄の謝罪を聞いてあげて。
今日の夜に兄は戻ってくるわ。
その時に聞いてあげてほしいの」
正直なところお断りだ。
あまりそういう事を聞く気分ではない。
それを察したのかジャスティンがやんわりと断った。
「カーラ。後では駄目かな。
アディはあまり調子が良くないんだ」
「でもっ、兄のことだから、謝るって決心した時じゃないと、また意地を張って謝れなくなるわ。
そうしたらまた前と同じ状態に戻ってしまうわ」
カーラの言っていることは容易に想像がつく。
アデレイドとしても、和解出来るなら機会を逃したくない。
「分かったわ、カーラさん。話を聞くわ」
カーラは悲痛な顔から一気に笑顔になった。
「よかった、ありがとう、アデレイドさん。
兄は今日の消灯前には帰ってくるわ。待っててもらっていい?」
「分かったわ、待ってる」
「ありがとう、アデレイドさん」
カーラはアデレイドの手を握ると、再度お礼を言って去って行った。
「アディ、大丈夫なの」
心配そうなジャスティンの声。
「大丈夫。夜までには気分も直ると思う。
いい機会だもの。ギブリングの話を聞いてみる」
「僕も一緒にいるよ」
「ありがとう、ジャス。心強いわ」
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「話とはなんだ?」
グレアムは空き教室の一つに、先程いがみ合ったばかりのブレントといた。
ブレントに話があると言われ、望むところだとここまでやって来た。
この男とは一度きちんと話をしなければと思っていた。
いつも飄々としているこの男はたまにアデレイドへの執着を見せる。
どんな汚い手を使ってアデレイドを縛り付けているのか聞き出して、アデレイドへ金輪際近づかない様に誓わせてやる。
ブレントは机に浅く腰掛け、嘆息した。
「アデル、泣いてたな。
今まで涙なんて見せなかったのに」
その言葉にグレアムはカチンときた。
「私はアデレイドが泣いているのを知っているぞ。
私が「君は悪くない」と言ったら大泣きした。
ずっと我慢していたんだろう。あの様子では人知れず泣いていた事は何度もあるだろう」
「そうだな」
ブレントはまた大きく嘆息した。
その落ち込んだ様子がまたグレアムの怒りを煽る。
「貴様がそうし向けているのだろう。
アデレイドを孤立させてどうするつもりだ。
あの子を自分に縛り付けて、何を企んでいる!」
「・・・・・・」
ブレントは答えない。
グレアムは拳を握った。暴力に訴えようとして、すぐにそれを堪えた。
アデレイドの泣き顔が浮かぶ。
ブレントを殴ったらまたアデレイドは泣き、グレアムを非難するだろう。
拳を震わせて耐えていると、ブレントがこちらを向いた。
「俺は君と馴れ合うつもりはない。
ただ、君に有益な情報をやる」
「情報だと?」
ブレントの態度の軟化を訝しみ、グレアムは探る様にブレントを見た。
ブレントは至極落ち着いていて、裏を読ませようとしなかった。
「ああ、代わりに俺は、俺の話を聞いて君が導き出した答えがほしい。
アデルを守る為に」
「守る為に、だと?」
グレアムの口からは獰猛な声が出た。
「貴様がアデレイドを守るというのか?」
「君がどう思おうと構わない。俺は俺のやり方でいく」
ブレントはまっすぐにグレアムを見ている。
その瞳に偽りは見えないが、とても信じられるものではない。
「断る、と言ったら?」
「アデルを泣かせたままでいいと言うのなら、俺は二度と君を信用しない。
君は裏に潜む奴の正体も分からずに右往左往するだけだ」
「裏に潜む奴・・・、貴様はデクスターに色々吹き込んだ人物を知っているのか?」
学園長と共にデクスター達から話を聞いた時。
デクスターはアデレイドを襲うことを自分で決めたと言っているが、どうも共謀した友人に唆したされた様だ。
その友人ーーギデオンはアデレイドを嫌ってこんな事をやったと言っているが、あの夜にアデレイドに魅了されてしまったらしく、現在はひたすら反省している。
もう一人、アデレイドの部屋に合図の青い鳥を飛ばした奴はギデオンに頼まれただけで何も知らないという。
三人の話を聞いていくうちに、どうにもその後ろにデクスター達を唆した誰かがいる様にみえてならない。
アデレイドを陥れようとしている誰かが。
「・・・その話は後で聴きたいね。
アデルに聞こうと思っていたが邪魔が入って聞けていない」
「貴様の話は一昨々日の話ではないのか?」
「それも含めての話だ」
グレアムはブレントの回りくどい言葉に苛立ちを感じるが、聞く必要はあると判断した。
「話を聞こう。だが、答えを渡すかはその時にならないと分からない」
「公平な取引じゃないな」
「貴様が回りくどいのが悪い。
簡潔に質問をすれば答えれるかもすぐに分かるのだ」
「そんなに簡単な話じゃないさ」
ブレントは嘆息し、近くの椅子を指した。
「座ってくれ」
「ここでいい」
グレアムは入り口近くに立っていた。
ブレントは眉間に皺を寄せる。
「あまり大きな声で話したくない。
誰が聞いているか分からない。誰が敵か分からないんだ」
慎重な素振りを見せるブレント。
グレアムはブレントの素性を思い出した。
ブレントは王位を狙う王弟の隠し子。
王弟は唯一生きている王子を亡き者にしようと画策しているという。
王子は暗殺を恐れ、身を隠しているとも、病弱で滅多に表に出られないとも言われている。
この男と密室に二人でいる事は余計な憶測を生む。
あまり歓迎出来ない事態だ。
グレアムは二歩だけ近寄った。
「手短にしてくれ。貴様と長くいたくない」
「それはこっちも同じだ」
「そうか。で、何を聞きたい? どんな情報をくれるというのだ?」
「落ち着けよ。まずは話を聞け。
アデルは何故大勢に嫌われていると思う?」
ブレントの問いかけにグレアムは眉を顰める。
意味のない問答だと思ったが、早く話を済ませる為、文句は引っ込めて答えた。
「アデレイドの魅了の能力の所為だろう」
「確かにそうだ。
アデルの魅了から解けた奴が醜態を晒したと喚く時もあるし、それを見た奴らが噂を立てる。
面白半分に煽ってアデルを貶す奴もいる。
噂を信じて、よく知りもせずにアデルを罵る奴もいる」
ブレントの言葉にグレアムは心の中で呻いた。
噂を信じてアデレイドを罵ったのは自分もそうだ。
あの頃は何故疑う事なく噂を信じていたのだろう。
あの頃の自分が許せない。
「アデルを嫌っているのは赤の寮生が多い。
知ってるか? 他の寮生は赤の寮生ほど、皆が皆アデルを嫌ってるわけじゃない。
遠目から面白がってる奴も多い」
「そうなのか?」
「ああ、最近はローランド・エイデンを魅了した所為で女子からの風当たりが強いが、前はそれほどではなかった。
赤の寮生以外は」
(どういう事だ?)
グレアムは心の中で呻いた。
自分の周りではいつもアデレイドは嫌われていた。
魅了の力を使って男を唆し笑っている。奪われた女が泣くのを見るのが楽しいのだと。
それは悪意のある噂だという事は既に分かっているが、信じていたのは赤の寮生だけなのか?
「だから俺は、赤の寮生の中に、アデルを陥れようとしている奴がいると思っていた。
噂を煽って、アデルを悪役に仕立てている奴がいる」
「っ! なぜ早く言わない!」
睨み付けるとブレントからは冷たい視線が返ってきた。
「言ったからってどうなった?
俺の話を信じたか? アデルに魅了される前の君だったら今の話を聞いて、アデルの策略だと思っただろう」
「・・・・」
反論出来ない。確かにそうだろう。
「今までそいつは尻尾を出さなかった。
影も形も見えない。赤の寮生の様子から、なんとなくそんな存在がいるのではないかと思っていた」
「・・・・・」
「噂に乗せられて、本当のアデルを見ない奴らに期待はしない。
アデルにもあいつらの言葉は聞くな。必要ないと言った」
「・・アデレイドは知っているのか?」
「煽っている奴がいることか? 言っていない」
「なぜ言わない」
「・・・・」
今度はブレントが黙った。その渋い顔から勝手に推測する。
「確証もないのに言えば、アデレイドの不安を煽ると思ったか」
「さあな」
ブレントは冷たい声で曖昧に答えた。
「おかしいと思ったのは最近だ。
アデルがエイデンを魅了してから悪意のある噂が多くなった。
エイデンが女子から人気がある事を考えれば納得はいくが、赤の寮の男子ーーダーレン・ギブリングの様にあからさまにあり得ない勘違いからアデルを罵る奴もいる。
それに君の変わり様もおかしい」
「私がおかしい?」
ブレントに指摘されてグレアムは面食らった。
「私のどこがおかしいと?」
「自覚がないのか?
前は馬鹿な正義感をかざして、アデルに突っかかっていただろう。
噂を鵜呑みにして、アデルを見れば注意という名の嫌味を飛ばしていた」
「・・・」
グレアムは口元を引きつらせた。
自分でもどうかと思っている過去の所業を言われて、ぐうの音も出ない。
「そんな君がアデルを気遣っている。明らかにおかしい」
どちらがおかしいというのか。過去の自分か今の自分か。
「昔はアデレイドの事を誤解していた」
「誤解で済むことか? アデルの人格を否定していた」
過去の自分はそんなに酷かったか。思い返してみれば酷いなんてものではない。
よくアデレイドは自分に対して笑顔を向けてくれる様になったものだ。
それほど昔は酷かった。
「何か普通ではないと思っていたが、ある本にその答えが載っていた」
「ある本?」
「ああ、『アルフォンス・ダウトの冒険』
聞いた事ないだろう。読んでみればいいさ。図書室にある」
「・・その本に何が書いてあった?」
もったいぶる様なブレントの言葉にイラっとして、低い声で先を促す。
ブレントは肩を竦めた。
「一人の男と仲間達の冒険の話だ。
ドラゴン、ゴブリン、トロール。人間ではない者との出会い。
色々な種族の者と争って友情を育んで。
非道な行いをする領主を懲らしめたり、他国の姫を魔物から救って惚れられたりとなんでもありの話だ。
これがほぼ実話だって言うんだから、この主人公はとんでもない奴だな」
「・・・で?」
グレアムは苛立ちを込めて先を促す。
「その物語の主人公が何か関係しているのか?」
「いいや、主人公は関係ない。
この本には妖精が出てくる。
一人はアデルと同じ目を見て魅了する。
もう一人は声で相手の不安や怒りを煽る」
「不安や怒りを煽る・・?」
グレアムの心がざわついた。神妙な顔で話を続けるブレント。
「妖精の血を引くのはアデルだけだと言い切れるか?
君は自分が正常だったと言えるか?」
グレアムはブレントが何を言いたいのか悟って息を飲んだ。
「まさか、私は操られていたとでも言いたいのか?」
「少なくとも何らかの影響下にあっただろう。
赤の寮の他の奴らもそうだ。他寮でも影響を受けている奴がいると思う」
ブレントの肯定にグレアムは目を見開いた。
「そんなまさか、それなら誰か気付くだろう。
アデレイドに魅了された時は本人に自覚がなくても周りは気付く」
「アデルの魅了ほどの急激な変化がないんだろう。
囁きの妖精は魅了するんじゃない。
不安や怒り、悲しみなど負の感情を煽るんだ。男女関係なく」
「それも本に載っていたのか?」
「ああ、囁きの妖精は人間の負の感情につけ込み、信頼させて、自分の意のままに動かす。
あの本によると、囁きの妖精が惑わせた人間の心は魅了の妖精が正気に戻していた。
本では人間の前に現れるだけで正気に戻していたが、アデルは人間の血が濃い。
そこまで出来ないんだろう。
その代わりに自分の能力にかかった後の人間は正気に戻す様だ。
君やジャスティン。
他にもアデルに魅了された後で急に態度が変わった何人かに話を聞いた」
「・・・・」
信じられなかった。
それが本当なら赤の寮はその人物に支配されているとでもいうのか?
そいつがどれほどの力を持っているのか分からない。
だが、赤の寮の生徒、とりわけ、権力を持つ生徒達にアデレイドを嫌う傾向があるのを思い出す。
その言い分が荒唐無稽である事も。
その荒唐無稽な事を疑いもなく言っている者達の尋常ではない様子も。
「誰も気付いていないのか?」
出した声が掠れる。
「そいつが大きく動き出したのは最近だからな。
おかしいと思っている奴はいるだろうが、そこまで気付いた奴がいるかどうかは分からないな」
「・・・・」
「囁きの妖精ーー純粋な妖精なら入学前に分かる筈だから、その血を引く者が赤の寮にいる筈だ。
カーヴェル、妖精の血を引く奴は誰だ?
君もその妖精の力に囚われていた。
妖精の囁きを聞いた筈だ」
今まで妖精の力に囚われていた自覚もなかった。
しかし、妖精に操られていたのなら、昔の自分と今の自分の変化にも納得がつく。
「私は操られていたのか? 操られてアデレイドに暴言を吐いたと?」
「勘違いするな」
ブレントがすっと目を細めた。冷たい声が響く。
「囁きの妖精に惑わされたと言っても、君がアデルに負の感情を持ったことは変わりない。
それを煽られ、育てたのは君だ」
「・・・分かった様な口をきくな。
お前なら妖精に惑わされなかったというのか」
「さあね。負の感情については俺も負けていない。
あっさりと惑わされてアデルを傷付けていたかもな」
飄々と言うブレントに苛立ちが募る。
やはりこの男の言動は許容出来ない。
グレアムは苛立ちが募るのを抑え、何とか思い出す。
自分にアデレイドへの悪意を囁いた人物。
アデレイドの評判は悪かったから色々な所でアデレイドの悪い噂を聞いた。
でもそれらではない。
それらに心を動かされたのではない。
どれだ。
ーーロザライン様の事は、本当にお気の毒でした。
ふと、そんな声が蘇った。
ーーグレアム様、お辛いでしょう。でもグレアム様の所為ではありません。お気を落とされないで。
この声だ。この労る様な声にグレアムは心を許した。この声が心の隙間に入り込んだ。
この声が告げる事柄が胸に入り込む。
ーーアデレイド様はもしかしてわざと魅了の力を使っているのかしら。この前、見てしまったの。アデレイド様が意地悪く笑っているところ。
ーーグレアム様、ローランド様がアデレイドに魅了されてしまったのですって。きっとわざとだわ。キャロライン様を泣かせる為にわざとローランド様を魅了したのだわ。
ーーあいつを懲らしめて。それが皆の為よ!
「カーラ・ギブリング・・・」
グレアムはキャロラインの友人の地味で目立たない女生徒の名を呟いた。
お読みいただきありがとうございます。




