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はなさかじじい
昔々、ある所におばあさんが住んでおりました。おばあさんは、ポチという名の真っ白な犬を飼っていました。
ある日のこと。おばあさんが畑仕事をしていると、ポチが畑の片隅でやたらと鳴いています。
「おとなしいポチがこんなに鳴くなんて珍しいことだ」
おばあさんが不思議に思ってポチのところへ行くと、ポチは地面を掘る仕草をしていました。
「どうしたポチ。ここを掘って欲しいのか」
おばあさんがポチの示すところを掘ると、なんと小判がザクザクと出てきたのでした。
隣に住むおじいさんは、その話を聞いて自分もあやかりたいと考え、おばあさんにポチを貸してくれるように頼み込みました。気乗りしないおばあさんは断ったのですが、聞く耳を持たないおじいさんはポチを連れて行こうとします。おばあさんが止めるように言っても、おじいさんはポチ抱きかかえて連れて行こうとします。
言うことを聞かないおじいさんにイラっときたおばあさんは大声で叫びました。
「ポチを離さんか、じじぃ」