詩殺
、序過を遂ぐ。
故途の端に
散りた遺漏を探すのは
憐れに光り尽くす夢月の夜
手に持つ本を読む
闇の静淋に再び点す残火のため
焚べるは忘記の盲憶に経た徒花を
おえよ贋造物、語りを完する結びの字を
運命が風化する括弧の中で
老ゆる柩には綺麗な灰雨が舞った
かつて日々いた声の熱に絆されて
末枯れる夢現の普天が衣を重くする
白紙の旅を経た白筆のうつろいを
訛伝に咲く誕生死に色付く指で撫で
水底に沈む時代の衍字を引き摺って
雲翳に隠る理想像の吐息に乗せて
紡ぎて綴じて未熟な感情の産声を鍵とともに
「それでも信じている。再会を、」
ここに挽景物を掬う叛譜の脈動が毒づく只今
泡沫に希う愛の書描に降る妄霊の雨よ光あれ
答の遠り道、私は旧り帰られない
肥えた虚像に成り果てた執念だけが手元
朝夜季節は動く、未だに頁が続いてくれるなら
誰かの壊れる音に目を覚ます
ならばこそ、そのために
そのためなら、全てを
忘れ失くそうともに
置かれた約を待つ
探し物は見つからないで
昨も待ち人よ、末も出会いなく
語る思い出も褪せて暮れた
もうなにも迷うことはないだろう
酷えず狂えず酔えず惑えず
底の暗闇は反夜に囀りゆっくり煤む
あの日持っていたものは今も
眺望に空う窓にひとつ訃虫の意
心も齢い墓ない文殻に置かれた名よ
書ききれ欠け切れて
夕、景因花の隠る絶火にめくれる終始譚
朽ちた羽に埋れる運命詩滅の史
重いか彩りが、乖離して回界の戻よ、泪は際涯の巡り思い出す
水を流し悴む真臓が嘆くよ、人心が問いかけを忘れても
動くなら手を足を
「」
逝越を夢望す跡旅路が方今
何幾度と言い記す名を以先へ
解く古絵に杳窕の眩しさ懐影が刺す
生きるを生きる時間が惜しくなる
意味と価値と理由を求めていく晩頃
消えてしまうだろう世界は
きっと笑える運命に
残、それは期待という願いという託言
愛しく厭わしく邂逅し永訣す命運が誰人を誰何する
後、私はあかそう
終た名と始す名を




