表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/64

7食後の、のんびりタイム(3)

 淹れ立てだからだろうか。ボトルに顔を近づけると、アイスコーヒーなのに香りが落ちていない。

 口に入れるとさらに香りが広がり、すっきりとしたコーヒーの味で満たされる。


「お、美味しい~!! こんなに美味しいアイスコーヒー、初めて飲んだかも……!」


「本当ですか? 良かった~!」


 カナコに釣られるようにして、大倉も嬉しそうに笑う。


「それでですね、コーヒーを漉すのに使った、上半分の部分を元通りにセットして、キャップをつければ……」


 フィルターを入れていた上半分のボトル部分をひっくり返して、下半分と合体させる。最初に見せてくれたボトルの姿と同じだ。


「ペットボトルみたいになりましたね!」


「そう、持ち歩きが出来るんですよ。飲みかけでも気にしなくていいんです。軽いですし、女性でも持ち歩くのに便利だと思います」


「なるほど、便利なものがあるんですねぇ」


「他にも優秀なポータブルコーヒーメーカーはいろいろありますが、今日はこのへんで。ええと……ガムシロとミルク、バニラアイスもあるんですが……」


「えっ! バニラアイス!?」


「乗っけちゃいます?」


 いたずらっ子のように、大倉がニヤリと笑った。

 またもカナコの心臓がドキッと音を立てて、甘酸っぱくすぼむ。


「の、乗っけちゃいます……」


 こちらの気も知らないで、大倉は「了解っす」と言いながら、氷が入っていたクーラーボックスを開けている。


(どこが無愛想なの!? 大倉さんの会社の人たちはよっぽどイケメンになれてるのね、羨ましいことこのうえないわ……)


 カナコはドキドキしてしまった胸を押さえながら、小さく息を吐く。


 そして大倉にアイスを入れてもらったボトルを受取り、それぞれチェアに座った。


 気温が上がって汗ばむくらいの陽気になったが、作りたてのコーヒーフロートが喉を潤し、体を冷やしてくれる。


 海風は心地よいし、空には白い雲が浮かんでのんびり流されているし、椅子は座り心地がいいし、何より……大倉が作ってくれたアイスコーヒーが美味しい。


「こういう幸せって、あるんですね」


「幸せですか?」


「はい。今、最高に幸せです」


 始まったばかりのピクニックだが、たった数回で、この気持ちよさにハマってしまった。

 大倉に教えられて、まだまだ楽しいことがあるのだと知り、ワクワクが止まらない。


「そう言っていただけて良かったです。俺も最高です」


 どちらからともなく微笑み合い、ボトルを持った手を上げて乾杯をする。


 アイスはあっという間に溶けて、カフェオレのようになったコーヒーはほんのり甘かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ