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おまけ０２：ファースト８と人物紹介

※２０３９年１２月末時点。ネタバレ注意。尚、記載内容は、後日、勝手に加筆修正する事がありますので、ご了承ください。

◇ファースト８(エイト)と「ムシ」の習性

２０３９年の年末時点で、「ムシ」の総数は八名。その内、七名が福島県で、樫村沙良《かしむらさら》だけが茨城県北部の高萩《たかはぎ》市出身だった。

後に「ゼネレーションゼロ」とも呼ばれることになる八人は、マザー／ドーターという疑似的な親子関係の中で、ごく自然に「ファミリー」と呼ばれる集団を形成してきた。そのトップにいたのが、最初の「ムシ」と言われる矢吹天音《やぶきあまね》である。

この後も次々と発生する「ムシ」達は、全員がそうした集団《ファミリー》に組み込まれて行く。

やがて、集団《ファミリー》が大きくなると分裂し、それら複数の集団《ファミリー》を取り纏めるリーダーが現れる。更に集団《ファミリー》の数が増えると、そうしたリーダーの頂点に立つ者が選ばれ、その者のことを「ムシ」達は「クイーン」と呼ぶようになるのだが、それは、もう少し先のことである。

尚、「こうしたピラミッド型のヒエラルキー構造そのものが、ハチやアリ等の虫の社会に酷似している」という指摘が数多くあるが、虫の社会に「ファミリー」は無いので、全くの別物である。

後世の「ムシ」研究家の中には、「こうした集団《ファミリー》を形成する行為もまた『ムシ』の本能だ」とする者がいるが、これについては反発する意見も多い。「あくまで『ムシ』は人間であり、何でも虫のような本能という言葉で説明するのはおかしい」という意見などが、その代表的なものである。

とはいえ、いずれにせよ「ムシ」達が集団《ファミリー》を好み、ハチやアリと似たようなヒエラルキー組織を形成して行ったのは、紛れもない事実である。

（とある「ムシ」研究者の手記から抜粋）

◇個別の「ムシ」紹介

＃００１：矢吹天音《やぶきあまね》（通称「ムラサキ」）

・福島県岩木市在住の中学二年生

・発現：２０３８年５月末

・ハンディキャップ：生まれ付き難聴だったが、「ムシ」になって逆に普通の人以上に聞こえるようになる。近視だった視力も同様に改善。

・翅：サイズは「タテハ」。薄紫色デ、外側に向かって黒の細い翅脈が無数に広がっている。

・匂い：変異を解くと銀色の光の粒子が舞い、ラベンダーの匂いが辺りに漂う。

・主な特殊能力：以前から勘が良く働く子で、時々、予知夢を見る事がある。

＃００２：安斎真凛《あんざいまりん》（通称「ミズイロ」）

・中学一年生。福島県二本松市岳《だけ》温泉のアパートから引っ越し、福島市の紺野鈴音のマンションに間借りしている。

・発現：２０３８年９月

・ハンディキャップ：強めの弱視だったが、「ムシ」になって逆に人並み以上に見えるようになる。

・翅：サイズは「ミッド」。薄い水色で、細くて青い翅脈が走っている。上下の隅に紺の文様があり、青系の色目なのを除けば、モンシロチョウに似ている。

・匂い：強いミントの香り

・主な特殊能力：透視

＃００３：玉根凜華《たまねりんか》（通常：「ジャノメ」）

・福島県郡山市在住の中学一年生

・発現：２０３８年１２月

・ハンディキャップ：左の小指が生まれつき短い。

・翅：サイズは「タテハ」。淡い茶色で、薄い鱗状の翅脈あり。二対の翅の中央に、それぞれ巨大な蛇の目(ジャノメ)の文様（丸い文様。.縁取りが焦げ茶で中は赤）がある。

・匂い：ブランデーの香り

・主な特殊能力：瞬時に髪を伸ばして自由に操る。家具等をカタカタと揺らす。

＃００４：門馬里香《もんまりんか》（通称：「ブルー」）

・福島県南相馬市在住の中学一年生

・発現：２０３９年５月

・翅：サイズは「ミッド」。モンシロチョウの翅の形状で、色は鮮やかな青。

・匂い：ペパーミントの香り

＃００５：紺野鈴音《こんのすずね》（通常：「シナモン」）

・福島県福島市在住の小学六年生

・発現：２０３９年６月

・ハンディキャップ：生まれ付き足が不自由で車椅子での生活だったが、「ムシ」になって立って普通に歩けるようになる。

・翅：サイズは「タテハ」。ギザギザの形状をした薄茶色の翅。焦げ茶の太い翅脈が縦横に這っている。

・匂い：シナモンの香り

・主な特殊能力：瞬間移動、透明化《ステルス》

＃００６：樫村沙良《かしむらさら》（通称：「モクレン」）

・茨城県高萩市在住の小学六年生

・発現：２０３９年７月

・ハンディキャップ：難聴

・翅：サイズは「ミッド」。モンシロチョウの翅の形状で、文様は無く白一色。

・匂い：フローラル（モクレン）な香り

＃００７：穂積郁代《ほずみいくよ》（通称：「ジャスミン」）

・福島県須賀川市在住の小学六年生

・発現：２０３９年１０月

・翅：サイズは「ミッド」。モンシロチョウの翅の形状で黄金色。目立たない。

・匂い：ジャスミンの香り

・主な特殊能力：気配遮断、癒し

＃００８：国分珠姫《こくぶたまき》（通称：「シジミ」または「ブルーベリー」）

・福島県本宮市在住の小学六年生

・発現：２０３９年１２月

・翅：サイズは「シジミ」。青紫色の丸みを帯びた小さな翅。外縁と放射状の翅脈は黒い。

・匂い：フルーティ－で甘酸っぱい香り

◇その他の人物紹介

・関口仁志(せきぐちひとし)：天音の近所に住む岩木高校二年生。「福島ムシ情報サイト」管理人。

・蛭田健吾《ひるたけんご》：関口の高校の友人。ややチャラい系。

・江尻貴志《えじりたかし》：関口の高校の友人。オタク系。

・矢吹正史(まさし)：天音の父親。生鮮食品の宅配会社勤務。

・矢吹涼子：天音の母親。カマボコ工場勤務。

・藁谷葉子《わらがいようこ》：涼子の妹で、天音の叔母。天音が通う中学の養護教諭。

・矢吹丈流(たける)：天音の同じ歳の従兄《いとこ》。

・矢吹勝正(かつまさ)：正史の兄で丈流の父親。天音の伯父。

・矢吹紘衣(ひろえ)：勝正の妻で丈流の母親。天音の伯母。

・安斎希美《あんざいのぞみ》：真凛の母親。キャバ嬢。

・芳賀力哉《はがりきや》：真凛の父親。バーテンダー。

・笠間詠美《かさまえいみ》：真凛が前に住んでいたアパートの近くにある図書館の司書。

・玉根雅人《たまねまさと》：凜華の父親。地方銀行勤務。

・玉根美華(みか)：凜華の母親。地方銀行勤務。

・大谷知行(ともゆき)：凜華の隣の家に住む同じ歳の幼馴染。

・大谷知己(ともき)：知行の父親で、市内の労災病院の勤務医。

・大谷真希(まき)：知行の母親で、知己と同じ病院で働く看護師。

・門馬紀香(のりか)：里香の母親で看護師。一人で里香を育てる。

・菅野彩佳(あやか)：紺野鈴音の叔母。

・菅野紗彩(さあや)：菅野彩佳の娘で、小学二年生。

・樫村英司《かしむらえいじ》：沙良の父親。一流企業のチーフエンジニア。

・樫村沙奈(さな)：沙良の母親。一流企業の優秀なエンジニア。

・穂積桔花《ほずみきっか》：郁代の妹。小学二年生。

・国分珠世《こくぶたまよ》：珠姫の母親。夫とラーメン屋を経営。

・国分姫織(ひおり)：珠姫の妹。小学二年生。

・二瓶丈晃《にへいたけあき》：朝香高校三年生。UFO研究会部長。蒐集家《コレクター》の名前で、関口仁志が管理するサイトに「ムシ」の画像等を投稿。

・早坂柊耶《はやさかしゅうや》：来年に朝香高校を受験する予定の中学三年生。

・佐々木淳(じゅん)：来年に朝香高校を受験する予定の中学三年生。

ENDおまけ02

次話は、「新年を迎えて」です。

できましたら、この後も、引き続き読んで頂けましたら幸いです。宜しくお願いします。

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