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ガキ英雄譚ッッッッッ!!!!! ~世界が滅びる未来を知った俺たちはヒーローになる約束をした~  作者: 立神ビーグル
第二章 勇気の英雄の激誕 編

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第4話 みんなを守るために…… 4 ―ゴングが鳴った!―

 4


「うわぁっ!!!!」


 背後からの不意打ちをくらったボッズーは翼をバタつかせながらヘリポートの上へと墜ちた。

 金色(こんじき)に変わり始めた体も、元の白い体へと戻ってしまう……


「ボッズーッ!! 大丈夫かッ!!」


「う、うん。だ、大丈夫だボズよ。タマゴの殻が守ってくれたボズ、そんなにダメージは無いボズ。それよりも――」


 駆け寄ったセイギにボッズーは言った。

 嘘はついていない。その証拠にボッズーはすぐに立ち上がった。しかし『それよりも――』、ボッズーは弾丸の飛んできた後方を向く。


「あぁ、そうだよな……」


 セイギもボッズーが言わんとする事が何か分かっていた。後方から飛んできた弾丸。それは明らかに敵の増援が現れた証拠だった。


「ふぅ……分身しておいて良かったぜ!!」


 セイギが後方を向くと、同時に声が聞こえた。

 聞こえてきた声の主が何処に居るかは、セイギもボッズーもすぐに分かった。二人の後方に見えるヘリポートの縁には、"ビルをよじ登る途中"といった格好で二人目のデカギライが居たのだから。


「いやぁ、間一髪だったぜ……お前が何をしようとしていたのかは分からないが、何かヤバイ感じの攻撃だったなぁ、フハハッ!! 良いじゃねぇか、やっと面白くなってきたじゃねぇかよ!!」


 ヘリポートをよじ登りながら、二人目は余裕綽々に高笑いを上げた。

 だが、セイギはこの"二人目"を見た瞬間、『相手にしてはいけない』と考えた。


 ― たったの一体か……バケモノを弱らせればバケモノに与えられた《王に選ばれし民》の力も弱まる。今のボロボロのアイツじゃ、多くの分身は生み出せなかったって事か、でも……いつの間に? まぁ良い、そんな事を考えてる暇はねぇ、本体の方はもうボロボロになってんだ。あと一歩、あと一歩なんだ……分身に邪魔される前に絶対に倒してやる!!


 セイギは大剣を握り直すと、ボッズーに聞く。


「ボッズー、ダメージは少ないってのは本当だな? それに、さっきのは本意気か? ジャスティススラッシャーで謂えば、大剣を振り上げただけ……そんな感じだよな、違うか? まだ出来るよな!!」


 セイギが聞く『さっきの』とは《俺のガチ本気モード》とボッズーが叫んだ"モード"の事だ。

 ボッズーは金色に肉体を変えはしたが、セイギには本意気に至る過程にしか見えなかった。

 そして、この考えは当たっていた。ボッズーは「あぁ、まだ完全に発動させる前だったぞボッズー!! 」と答えたのだ。


「《俺のガチ本気モード》は檻を作ってバケモノを捕える所から始まるボッズー、完全に檻を作ってしまった後だと再発動は無理だけど、さっきのはまだ完全じゃなかった。まだ行けるぜボッズー!!」


 この返答にセイギは仮面の奥でニカッと笑う。


「へへっ! だったらもう一度やるぞ、バニラアイスは買ってやる!!」


「イヤホイ、ラッキー! ふふ、でもバニラアイスはいらないぞボッズー、俺だってやる気満々なんだからなボッズー! 本体さえ倒せば終わるんだ、サッサとヤツを倒して全てを終わらせるんだボッズー!!」


 ボッズーは一人目に現れたデカギライを睨んだ。


「あぁ、そうだなぁ!!」


 セイギも同じだ。威勢の良い返事と共に一人目のデカギライに向き直る。


 だが――


「フハハハハッ!!」


 戦いは簡単にはいかない。世の常だ。


「ダメだなお前……頭が悪過ぎる」


「何ッ!!」


 向き直った時、セイギは気付く。『自分の読みは甘かった』と。何故ならば、膝をついて俯いている一人目のデカギライの背後には、もう一体のデカギライが立っていたのだから。


「ちきしょう……分身は一体じゃなかったのか」


 三人目を見たセイギは唇を噛んだ。


「畜生? ハハッ! それはお前だろ? クソガキが!!」


 三人目のデカギライはセイギに向かって唾を吐くと、一人目のデカギライの肩に手を置いた。

 すると、三人目の体からは光の粒子が放たれる。放たれた粒子は"一人目"の体へと入っていき、"一人目"の傷を見る見るうちに消していく。


「服までは良いだろ……あまり力をあげると、俺の方が消えてしまうからなぁ」


「あぁ、助かったぜ」


 "一人目"はゆらりと立ち上がった。体に纏ったコートはボロボロのままだが、虚ろだった瞳にはセイギとボッズーへ向けた殺意が甦ったと見える。


「嗚呼、気持ち悪ぃなぁ……」


 それから、もう一体――


「俺と俺が会話してるよ……」


 四人目の声が聞こえた。

 四人目のデカギライは、ボッズーを撃った二人目のデカギライのすぐ側で胡座をかいて座っている。


「いつの間にこんなに……」


 セイギの前に現れた分身は結局三体である。

『いつの間に?』『そんな隙があったか?』……そんな事を考えている暇は無いと分かっていてもセイギは考えてしまう。けれど、やはり暇は無かった。デカギライは相変わらず素早く、セイギが思考した一瞬の間に方々に走り出した。


「フハハッ! デジャヴだなぁ、昨日と同じだ、お前は四面楚歌だぜぇ!!」


 セイギを取り囲んだ四体のデカギライは同時に高笑いを上げた。勿論、四体の右手はセイギに向けられている。


「ちきしょう……」


 セイギは悔しかった。チャンスはピンチであったのか。デカギライを追い詰めた筈が、このままでは形勢逆転を起こされてしまう。


「ボッズー……」


 セイギはボッズーを呼んだ。


「うん……」


 やはりボッズーはセイギが言葉にしなくとも、セイギの求めを理解出来た。ボッズーは羽ばたき、セイギの背後に回った。


「……もういっちょ、やるしかないなボッズー!!」


「あぁ、そうだな……こうなったら、分かれていくぞ! ボッズーは羽根の爆弾を使って分身を相手にしてくれ! 俺は本体を狙うッ!!」


「OKボッズー!!」


 ボッズーは翼を大きく広げた。逆転に持っていかれる訳にはいかない。


「「「「「BANGッ!!!!」」」」


 さぁ、ゴングが鳴った。

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