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ガキ英雄譚ッッッッッ!!!!! ~世界が滅びる未来を知った俺たちはヒーローになる約束をした~  作者: 立神ビーグル
第二章 勇気の英雄の激誕 編

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第4話 みんなを守るために…… 1 ―デカギライを逃がすな!!―

 1


 一歩足を踏み出す度にガキセイギはデカギライの弾丸を斬っていった。大剣の刃はその度に重くなっていく。


 ― まだだ……あの時はもっと重かった


 セイギが思い出すのは百体のシードルを倒した時だ。あの時の大剣は腕が千切れそうになる程の重さだった。


「BANGッ!! BANGッ!! BANGッ!! BANGッ!!」


 ― もっと撃て!! もっと俺に力をくれ!!


 敵に向かって『撃て!』と願うのは矛盾した願いだと思いながらも、それでもセイギは願った。


 ― あの時と同じくらいの力を溜めきゃダメだ! もっと、もっとだ!!


 デカギライを倒す為に、デカギライを人間に戻す為に、人々を守る為に、セイギは願う――しかし、デカギライも馬鹿ではなかった。


「クソガキがぁ!! ナメやがってぇぇぇぇえ!!!!」


 いつまでも無意味な攻撃を、防戦一方にしかならない状況を続けはしなかった。


「嗚呼、もう良いッッ!! もう止めだッッ!!!!」


 正義の願いは破棄された。デカギライは怒声をあげると腕を下げた。セイギに向けていた銃口をアスファルトの道路に向ける。


「BANGッ!! BANGッ!! BANGッ!!」


 立て続けに発砲された弾丸は三発。


「なにッ!!」


 デカギライの弾丸は速い、セイギが驚いた時にはもう遅かった。直後に一発目の弾丸が爆音と共に道路を破壊してしまったから。

 二発目、三発目も立て続けに行く。一発目が瓦礫にしたアスファルトを二発目が粉々に破壊し、三発目が爆風を起こした。粉々になったアスファルトは空中に舞い上がる。

 生まれた物はカーテンだ。デカギライの姿を隠す煙のカーテンであった。


「フハハハハッ!!」


 カーテンの中でデカギライは身を翻し、セイギ達に背を向けて走り出す。


「おい! 待てッ――ボッズー、デカギライが逃げるぞ!!!」


 セイギはボッズーを呼んだ。


「分かってるボズ!!!」


 ボッズーは指示を受けなくとも分かっていた。

 ボッズーはセイギの背中に掴まる。


「追い掛ける、飛ぶぞボッズーッ!!」


「あぁッ!! 逃がして堪るかよ!!」


 デカギライを逃がす訳にはいかない。ならば、やるのはスピードの出せる《ビュビューンモード》だ。ボッズーは素早く変形して"上の翼"に風を取り込んだ。


「待ちやがれぇーーーーッ!」


「フハハッ!! 待てと言われて待つ馬鹿がどこにいる!!!」


 デカギライが作ったカーテンを抜けてセイギとボッズーは追い掛ける――だが、デカギライが走るスピードはバケモノ級で人間を超えている。追い付ける生物がいるとすればチーターくらいなものだろう。勿論、ボッズーはチーターではない……ではないが、只の生物でもない。ボッズーは特別な存在だ。英雄を導く為に生まれた存在なのだ。ボッズーが《ビュビューンモード》に変形すれば、デカギライに負ける訳はなく、セイギ達はすぐにデカギライに接近した。


「この野郎……もう少し、もう少しなのに!!」


 だがしかし、近付けたは良いが、あと数歩が足りなかった。デカギライを捕まえるには僅かに足りない、セイギは大剣を振るうが剣先が数ミリ届かない、デカギライを止められない。

 

「ちきしょう……!!!」


「フハハハッ! 惜しいなぁ! 届かないか!! 届かないんじゃあ、接近しても意味がないよなぁ……さて、お前が相手をしてくれないんだったら、俺は別の遊び相手を探さなきゃなぁ、フハハハハッ!!!」


 デカギライの首が動く。キョロキョロと辺りを見回している。


「フハハッ! よく見れば、隠れてる奴等が大勢いるなぁ!! 丁度良い……奴等を殺ってやろうかぁ!!」


「なに……!!」


 道路の内外には走り逃げる人も大勢いるが、車やビルの影に隠れている人も大勢いた。その人達をデカギライは嘲笑う。


「フハハハッ……結局人間も動物だな、体を丸めて隠れやがる!! 猫もそうなんだよ、追い詰められたら、あんな姿になるんだ!! 奴等は俺に見付かったと気付いたら、痙攣してるみたいにブルブルと震え出すんだぜ……でもな、殺られる前の動きは人に寄って違いがあるのを知ってるか?」


 デカギライはセイギに問い掛けた。

 セイギは「黙れ!!」と切り捨てるが、デカギライはやはり嘲笑う。


「いやぁ、黙らねぇよ!! 経験者は語るってヤツだ、お前の教訓にもしろよ……死ぬ前の仕草を決めておけ!! フハハハハッ!! いいか、先ずはなぁ、いたぶられるのを防ごうとしてるのか、体を丸めたまま腕だけを上げて脇を見せてくる奴だ、お前の臭ぇ脇なんて嗅ぎたくねぇのによぉ……フハハッ!! 他には、どうやって殺られるのか見たくないんだろうな、丸めた体を更に丸めてボールみたいになる奴だ、滑稽なんだよこれがぁ、フハッ――ん? おぉ、あそこに居る女、既にその形になってるぞッ!! 良いねぇ、良い獲物だ!!」


「!!!」


 セイギは探した。『あそこに居る女』とは何処に居るのか。


 ― あッ……!!


 すぐに見付かった。セイギから見て右斜め前方に停車した車の中に女性が居た。


「フハハッ!! あの女、他の奴等と違って車から出てもいないぞ、俺を恐れる余りに動けなくなったのかぁ?!」


 デカギライは女性を嘲笑うが、セイギは気付いた。『女性はただ隠れているだけではない』と。

 空を飛ぶ高さからならば見えたのだ。

 女性は助手席に向かって体を丸めているが、その腕の下にはもう一つ小さな体がある事に。女性は守っているのだ。自分の体を盾にする形で助手席に座る子供を。


「獲物はあの女に決めたぞぉ!! さて、どう殺るかぁ!!」


 デカギライが方向転換をした。体を向けたのは右斜め前方、女性が乗った車がある方向だ。


「やめッ――」


「任せろボズ……」


 セイギが叫ぼうとした時、ボッズーが耳元で囁いた。


「今からビュビューンモードの限界突破を目指す、セイギ……手を伸ばせ!! コイツを人の居ない場所に連れていくんだボッズー!!!」


 そう言うとボッズーはビュビューンモードの"上の翼"に、勢いよく風を吸い込んだ。

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