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ガキ英雄譚ッッッッッ!!!!! ~世界が滅びる未来を知った俺たちはヒーローになる約束をした~  作者: 立神ビーグル
第二章 勇気の英雄の激誕 編

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第3話 慟哭 14 ―《王に選ばれし民》の力を浄化させる力―

 14


「フハハハ! そうか、もうお前にはこの手は使えないか!!」


「当たり前だ! ナメるなよッ!!」


「フハハッ! それは俺の台詞だ、一度やられたくせに懲りずにまた邪魔しに来やがったのか? だったら今度こそブッ殺してやるぜぇ!!!」


 デカギライは火のついたコートを翻し、一瞬にして火を消した。そしてラッパの様に広がった銃口をセイギに向ける。


「BANGッ!!」


「ボッズー、周りを警戒しててくれ。他にも奴がいるかもしれない!」


『奴がいるかも』それは、デカギライの分身だ。セイギはボッズーに指示を出すと、向かい来る弾丸を大剣で斬った。


「BANGッ!! BANGッ!! BANGッ!!」


 デカギライは弾丸を連射する。が、これはセイギにとっては計算通りであり、喜ぶべき事だ。弾丸を斬れば斬る程に大剣には力が溜まっていくのだから。


「チィッ! クソガキめッ!!」


「もっとくれよ。お前を倒す為には、もっと力が必要なんだ!」


「アァァァア!! クッソ……ムカつくガキだなッ!! そんなに死に急ぎたいのか!! 痛い目見なきゃ、自分の弱さを分からねぇのかよ!!」


『BANGッ!! BANGッ!!』と口にしてデカギライは発砲してくるが、セイギは確実に弾丸を斬っていく。

 セイギは今日でデカギライとの戦いを終わらせるつもりだ。だが、デカギライの命を奪うつもりも無い。では、どうするつもりなのか、それは最前にセイギが言った『ボッズーも昨日の夜に言ってたの頼むぜ!!』この言葉の意味が関わってくる。


 ――昨夜、ボッズーに救出された後、正義は語ったのだ。『自分は迷ってしまった』と。

 しかし、正義の話を聞いたボッズーはそんな正義に首を振って見せた。


「それは俺のミスだボズ。バケモノとの戦い方をちゃんと教えていなかった俺のなボズ……」


「ちゃんとした戦い方、そんなのがあるのか?」と正義が聞くと、ボッズーは頷いた。


「悪意を持った人間や動物が《王に選ばれし民》から力を分け与えられて誕生するのが《バケモノ》だボズ。与えられた力はその者の心の中の悪意が強ければ強い程に増幅し、元になった人間や動物を強くさせる。その者の肉体はバケモノという名に相応しい禍々しい姿へと変化するだボズ。そして、その者が持っていた悪意を具現化させた能力も所持する……昔から話している通り、これがバケモノだボズ。ある意味、正義と一緒なんだボズ。《王に選ばれし民》から力を貰い、バケモノも変身しているんだボズよ。その力を取り除けば良いんだボズ……」


「取り除くって、もしかして人間に戻す方法があるのか?」


「そうボズ、今から説明するボズ。でも、その前に謝らせてくれボッズー……人間や動物に力を分け与えるって事は《王に選ばれし民》がこの世界への侵入を成功させない限りはバケモノは現れない筈だったから正義には戦い方までは教えていなかっただボズね。"そういうのがいる"とだけ伝えて、次に伝えるべき事を伝えてなかっただボズ……英雄を導く存在として反省しかないボズ、ごめんな」


 この謝罪の後、ボッズーは『ちゃんとした戦い方』を正義に教えた。「簡単な方法ではないボズよ」と前置きをして。


「まず、《王に選ばれし民》の力を取り除くには俺が居なきゃダメだボズ。何故なら、まだ正義にも見せていない俺の第三のモードを使う必要があるからなボッズー」


「ビュビューンモードやミルミルミルネモード以外にもまだあるのか?」


「あるボズ、飛行のビュビューン、透視のミルミルミルネに続く、捕縛のモードがね」


「捕縛? バケモノを捕まえられるって事か?」


「そうボズ、俺が作った(おり)の中になボッズー。でも、これが簡単じゃないボズよ。モードの発動から捕縛するまでの間に俺が攻撃を受けてしまえば即失敗、檻は壊れてしまうだボズよ……しかも檻の作成が上手くいっても捕縛出来るのは一体までだ。もし間違った相手を捕縛してしまったら、二回連続の檻の作成は不可能だから完全アウト。しかも、檻の作成は一日に一回までだ、二十四時間経たないと次は作れないんだボッズー」


「なるほど、百発百中って訳にはいかないって事か。でも、それはどんなモンでも一緒だ! 俺のジャスティススラッシャーだってそうだ! それで? 檻に捕まえて終わりって訳じゃないんだろ?」


 この質問にもボッズーはコクリと頷いた。


「勿論だボズよ。バケモノを檻に捕まえても、それはまだ準備段階でしかないからねボッズー。こっからが本番だ。こっからが第三のモードの本来の能力の発揮だボッズー。その為に必要になるのは、英雄達の力だボズ。俺がバケモノを檻に閉じ込めたら、正義は檻に向かって攻撃をぶち込むんだボッズー!」


「攻撃を?」


「そうボズ!」


 ボッズーは「檻に攻撃をぶち込めば、英雄達の攻撃は、バケモノに分け与えられた《王に選ばれし民》の力を浄化する攻撃に変換される」と教えた。


「攻撃を受けた檻は大爆発。その後に残るのはバケモノじゃない、元の姿に戻った人間……または動物なんだボッズー!」


 ボッズーが言うと、続けて正義は聞いた。


「攻撃はどんなモンでも良いのか? ただ斬るだけでも?」


「それはバケモノの強さによるボズね。バケモノが強ければ強い程、バケモノの体内の《王に選ばれし民》の力も強い訳だから、強い敵には強い力が必要ボズ。逆に弱いバケモノならセイギの斬撃でも行けるだろうな、それとバケモノの肉体が傷付けば、体内の《王に選ばれし民》の力も弱くなるからいけるだろうけど……でも、人間の時からバケモノ級の悪意を持った誘拐犯の男がバケモノになったのなら、デカギライはきっと強敵だボズね。弱らせる前にこっちがやられる可能性も高い。デカギライが相手ならやっぱり威力のある攻撃だボズ。中途半端はダメ。デカギライを確実に仕留められるくらいの強い攻撃じゃないとヤツを人間には戻せないボッズー。例えば、シードルをブッ倒した時みたいな、威力を持たせたジャスティススラッシャーが欲しいボッズー!」


「あの時くらいのか……結構苦労しそうだな」


 ……と、正義は言ったが、直後に「へへっ!」と笑った。


「だけど不幸中の幸い、デカギライの弾丸を斬るのはそんなに難しくねぇ。大剣に力を溜めるには適してる!」


「ただ、ヤツは分身するのが厄介だけどなボズ。《王に選ばれし民》の力を与えらているのは、人間の体を持っている本体だけだボズ。本体に俺のモードを使わないと意味が無いボズよ。本体に使えれば《王に選ばれし民》の力は浄化されて、分身も一緒にいなくなる。デカギライを完全に倒せるんだボズ。でも、分身に使ってしまったら、その分身は倒せても、本体は健在になっちゃうんだボッズー。しかも、さっき話した様に檻の作成は一日一回まで、二十四時間経たないと作れないから、しくじったと分かっても二度目のチャンスはすぐには来ない」


「なるほど、確実に本体を見極めないとダメなんだな!」


「うん、それともう一つ厄介なのは、分身がいたら本体を見極められても、本体を檻に捕える前に邪魔してきそうなとこだボズ……さっき言った様に捕縛の前に攻撃を受けてしまえば檻は消えてしまう。まぁ、捕縛の前であれば、続けての作成は可能ではあるけど。でも、第三のモードは透視のミルミルミルネよりも体力を使うから、連続での作成は二回までが限度だボッズー」


「なるほど、威力のあるジャスティススラッシャーが作れてもその後にも苦労しそうだな……でも、その方法じゃないとデカギライは人間には戻せないんだろ?」


 正義が聞くと、ボッズーは頷いた。


 方法が一つしかないのであれば、正義は迷わなかった。例え困難な戦いであっても、デカギライになった男の命を奪うのではなく、人間に戻す為の戦いならば全力も出せるから。


「そっか……でも、分身が邪魔なら、まずは何体だろうが全部をぶっ倒せば良いんだ! そっから本体を叩けば良い!!」


 士気の高い正義の言葉に、ボッズーも「そうだな!」と答えた。


 ――だからだ、セイギが今日でデカギライと決着をつけるつもりでいるのは。

 昨日とは違い、セイギの中に迷いは無いから。人々の命を守る為に、デカギライを人間に戻す為に、セイギは思う存分戦う。デカギライに体ごとぶつかっていく。


「痛い目見るのは……デカギライ、お前だぜ!」



第二章、第3話「慟哭」 完

第3話「慟哭」をお読み頂き誠にありがとうございます。

英雄を辞めると言い出した勇気……さて、どうなるのでしょうか。次回、第4話「みんなを守るために……」をお楽しみ。

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