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ガキ英雄譚ッッッッッ!!!!! ~世界が滅びる未来を知った俺たちはヒーローになる約束をした~  作者: 立神ビーグル
第二章 勇気の英雄の激誕 編

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第6話 勇気の心を武器にして 15 ―二人は信じている―

 15


「デカギライッ!! 今日こそお前と決着をつけてやるぜッ!!!」


 ピエロが消えたとは誰も気付かずに、二人の英雄とデカギライの戦いは続いた。


「勇気 ――じゃあなかった、ガキユウシャッ!!『 オムとライス』この言葉の意味を覚えてるか!!」


 ピエロを飛ばした直後、セイギは走り出した。

 全身に走る激痛はユウシャが現れると消えた、錯覚だろうが消えはした、ユウシャに向かって呼び掛けながらセイギは走る。

 セイギが走り出すとユウシャの登場に焦っていたデカギライ達もセイギの存在を思い出した、デカギライの弾丸はユウシャに向かっても飛んでいくが、セイギに向かっても飛んでいく。

 己に向かって飛んでくる弾丸を斬りながらセイギは走った。


「勿論だ、忘れる筈はないッ!!」


 セイギの呼び掛けに答えると共にユウシャは駐車場に着地した。

『オムとライス』の言葉の意味をユウシャは忘れはしない。親友と出逢った頃の掛け替えのない想い出の中にある言葉だからだ。

 

「ヨッシャーーー! だったら一気に畳み掛けるぞ!! ユウシャ、俺の後ろに立ってくれ!! 俺はこの剣に力を溜めたい、俺が裁き切れない弾丸を撃ってくれ!!」


「任せろッ!!」


 セイギが駐車場の中央で立ち止まると、ユウシャは走った、セイギに走り寄る。


「クソがァッ!!!」


「ナメやがって!!!」


 十数体いるデカギライ達は怒鳴りながら発砲を続けた。その中には発砲しながらセイギとユウシャに接近しようとする個体もいるが、セイギに走り寄ったユウシャは親友と背中合わせになり、レーザーを放つ。セイギの後方から迫る弾丸は爆発させ、セイギに迫る個体に向かっては足を撃って転倒させる。


「セイギには手を出させんッ!!」


 ユウシャは引鉄を引き続けた――


「デリャッ!!!」


「トリャッ!!!」


「ウリャアッ!!!」


 セイギは迫り来る弾丸を斬って、斬って、斬りまくった。斬ると大剣は重くなる。刃に力が溜まっていく――


「ユウシャが来たなら百人力だッ!! 体の底から力が湧き上がってくるぜぇッ!!!」


「俺も同じだッ! お前と一緒なら、全てを変えられる気がする!! 諦め知らずのお前とならな!!」


「俺が諦め知らずなのは、お前の勇気が俺に希望をくれっからだよ!!」


 セイギもユウシャも信じている、


「この戦いッ!! 負ける気がしねぇーーー!!」


「絶対に決めるぞ、セイギッッッッッ!!!」


「あったり前だぁッッッッッ!!!!!」

 

『二人が揃えば、不可能な事などないッッッッッ!!!!!』と――


 二人は斬って斬って斬りまくり、撃って撃って撃ちまくった。信じられる仲間がいれば一人の力も数倍に膨らむ、信じれば信じる程に体の底から力が湧いてくる。



 だが、デカギライも黙ってはいない。

 それは文字通りに。十数体いるデカギライ達は声を合わせてセイギとユウシャを怒鳴る、蔑む、嘲笑う。


「「「くだらねぇ友情を見せ付けるんじゃねぇッ!! クソガキ共がッ!!!」」」


「「「クソガキが二人になろうが俺は絶対に負けねぇだよッ!!!」」」


「「「言っただろ! 俺は俺の意思で本物の俺を作れると、俺は絶対にお前等クソガキには負けねぇ!! 俺は無敵なんだッ!!!」」」


 怒鳴り、蔑み、嘲笑いながら、デカギライ達は弾丸を連発する。



 ……がしかし、セイギも笑う。仮面の奥でニカッとした笑顔を浮かべた。


「へへっ! 無敵か……でもな、俺達二人はその無敵を打ち破る二人だッ!! ――勇気ッ、俺の準備は出来たぜ!! お前は飛べっ、ジャンプだ!! あの時のドッヂボールみたいに、デカギライを驚かせてやろうぜ!! オムとライスだッッ!!!」


 セイギは『オム』と言いながら大剣から片手を離し、自分自身を指差した。

 続けて『ライス』と言いながら、ユウシャを指差す。

 この動作にユウシャはニヤリと笑う。


「成る程……今日の俺達は、あの時のドッヂボールとは逆の役割という事だな! 任せろッッ!!!」


 ユウシャはセイギの要求通りに跳躍した。


「へへっ!」


 ユウシャが跳ぶと、セイギは再び大剣を両手で持つ。


「すぅーーー………っ!!」


 次に深呼吸、これから行う攻撃は決して外してはならない攻撃だからだ。

 精神を統一しながら、脇を締め、ずっしりと重たい刃を水平に構える。


 ユウシャが跳び、周りはデカギライばかり。敵に囲まれ四面楚歌だ。だが、セイギはこの状況を求めていた。


「行くぜッ!! 決めるぜッ!!」


 セイギはこの場面を想定して特訓を行ったのだ。

 特訓によって我が物とした技はデカギライとの二戦目で偶然放てたジャスティススラッシャーだ。

 二戦目では偶然であったが、特訓で腕と技を磨き、今では百発百中で繰り出せるまでになったジャスティススラッシャーであり、敵に囲まれていればこそ複数のデカギライを一辺に倒せるジャスティススラッシャーである。


「大回転ッ!! ジャスティススラッシャァァーー!!!!」


 セイギは回転する。回転しながら大剣を振るう。


 (くう)を斬る大剣の刃からは黄金に輝く目映い光が放たれた。光の形は残像が如くだ。セイギが一気呵成に描いた大車輪だ。

 大車輪の形をしたジャスティススラッシャーは(まばた)きの速さで一気に飛んでいく。デカギライが放った弾丸を、そしてデカギライ達を斬っていく。


「!!!!!」


 デカギライ達は皆逃げられなかった。叫ぶ間もなくジャスティススラッシャーに斬られ、次々に爆発していく。

 ピカリマートの駐車場はすぐに炎の海へと変わった。しかし、この炎はすぐに消える。《王に選ばれし民》の力は破壊された直後はこの世に残るが、永遠には残らない。数秒も存在せずに、跡形もなく消えていく。


「……さぁ、どうだ?」


 炎が消えた後、セイギは辺りを見回した。

 駐車場の中にはデカギライの姿はもう無い。


 だが、


「フハハハハハハハッ!!!!」


 やはりデカギライは無敵なのか、大技を繰り出したセイギを嘲笑う声が聞こえた。

 それは、ピカリマートの屋上から――

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