第5話 俺とお前のオムライス 19 ―友情の証―
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「はぁ~~あ! 本当嫌になっちゃうよなぁ~~、俺の母ちゃん怒ると長ぇからさ、あの後ずっと怒られてたんだぜぇ」
「俺もそうさ、昨日は寝るまで勉強させられた」
「俺は夕飯抜き、もう腹が減って仕方が無ぇよ!」
正義と勇気は校庭の隅に居た。深緑色した平均台を椅子代わりにしている。勇気は長い足を組んで、正義は器用に胡座をかいて。
まだ休み時間ではない、放課後でもない、現在は体育の授業の真っ最中だ。しかし、今日の二人はボールに触る事は出来ない。何故なら、見学をさせられているからだ。
「はぁ……それにしてもつまんないなぁ。俺もサッカーやりたかったなぁ」
「仕方ないじゃない。先生が決めた事なんだからさ」
「でも、出来ると思うんだけどなぁ」
正義は自分の足をチラッと見た。
二人は担任の判断で見学へと回されていた。勇気は額の辺りに痣が出来ているから、正義は川へと落ちた時に捻ったのか足が少し痛むあるからだ。
「山田の奴は普通にやってんのに俺達だけ、不公平だ!」
「良いじゃないの。山田は体が大きいからね、その分頑丈に出来てるんだよ!」
勇気は大きな笑顔を浮かべた。
勇気は気分が良いのだ。
『正義くんと一緒なら、何かを変えられるかも知れない』という予感が当たったから。
連日連夜うなされていた死に追われる悪夢は全く見なくなり、更に昨日は山田との嫌な関係も解消された。
今日だって山田は二人が見学に回ると知ると『俺のせいだな、ごめな……』と濁す様な言い方ではあるが伝えてきた。言い方は濁されても勇気はその気持ちが嬉しかった。勇気の嫌な気持ちで溢れていた毎日は終わりを告げたのだ。
「ふぅ……それにしても良い天気だね! 正義くん、俺さぁ、これからは良い事ばかりが起きそうな予感がするんだ!」
「良い事ばっかぁ?」
「うん!」
勇気は空を見上げながら、力強く頷いた。
「ありがとね! 正義くん!」
「へっ? ありがとう??」
勇気は感謝の言葉を伝えるが、正義からしたらそれは突然であり首を傾げるしかなかった。
そんな正義に、勇気は「正義くん、こういうのを知ってる?」と尋ねる。
「こういうの? どういうの?」
「これさ!」
正義に視線を移した勇気は、正義に向かって拳を突き出す。
「ん? グー? あぁ~~!」
『分かったぞ!』と言いたげに正義は笑った。
「へへっ! なるほど、分かるぜ。ほい!」
正義が勇気の拳に向かって出したのはチョキだった。
でも、勇気が求めているものはコレではない。
「えぇ……何それ、違うし! しかも負けてるし!」
「あっ! そっか、じゃあこっち!」
今度はパーだ。
でも、これも違う。
「……違うよ。知らないの? 拳と拳を合わせるんだよ。友情の証さ!」
「友情の証??」
「そう、友情の証!」
「へへっ! そっか!! ソレ良いな!!」
『友情の証』、この言葉に正義の笑顔は大きく輝き、ニカッと光った。
「これか!!」
「そう、それだ!!」
正義はようやくグーを作った。
「行くぜ!!」
「うん!!」
「「オリャッ!!!」」
二人の拳はガツンッと合わさった。固い友情を心に誓って。
第二章、第5話「俺とお前のオムライス」 完
第二章、第5話「俺とお前のオムライス」をお読み頂き誠にありがとうございます。
次回、第6話「勇気の心を武器にして」は、「勇気の英雄の激誕 編」の最終回となります!
遂に、遂に、激しく誕生しますよ!!!!!
お楽しみに!!!!!




