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テンプレ勇者の一目惚れラブロード 〜勇者がヒロインと結婚するまで〜  作者: しぇいく
第二章 アオイさん!好き!

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モンスターコロシアム特別枠

 俺達は国王の元へ報告に来ていた。


 ミクラル城、玉座の間。


 高い天井。磨き上げられた白大理石の床。

 壁には水を模した装飾が施され、光が揺らめくように反射している。


 「面を上げよ、勇者リュウト」


 王の声が静かに響く。


 俺とアカネは片膝をついたまま、頭を上げた。


 「《ミクラルヴォルケーノ》にて確認された危険個体――スラッシュゴルドラ。確かに討伐いたしました」


 転送魔皮紙を展開する。


 映し出されるのは、解体済み素材の一覧。


 「ほう……」


 王の目が細められる。


 「報告によれば、ダイヤモンド級でも複数名で挑むべき存在。よく成し遂げたな」


 まぁ、本当はミクラルのギルドで討伐するところを“クリスタルドラゴンを倒した勇者”と言う肩書を持つ俺の実力を見たのだろう。


 「仲間の助力あっての結果です」


 「仲間……?」


 そこで、俺は一瞬だけ言葉を区切った。


 玉座の間の空気がわずかに変わる。


 「……実は、討伐の過程で一体の魔物と共闘いたしました」


 ざわ、と周囲が揺れる。


 アカネが小さく息を飲む。


 俺はそのまま続けた。


 「アールラビッツ。現在は我々に協力する意思を示しております」


 ちなみに当の本人は一旦ミクラルヴォルケーノに置いてきている。


 「魔物を連れて帰ると?」


 王の声に、ほんの僅かな興味が混じる。


 「はい」


 正直にいく。


 ここで嘘をつく意味はない。


 「ギルド規約に抵触する可能性があることは承知しております」


 「……ほう?」


 「未登録魔物の街区持ち込み禁止条項。危険度B以上個体管理規定。生息域外移送制限」


 玉座の間が静まり返る。


 「それを理解した上で、申し上げます」


 俺は一歩前に出た。


 「我々は――“モンスターコロシアム”への出場を希望いたします」


 空気が変わった。


 王の目が、明確に輝く。


 「……理由を聞こう」


 「コロシアム登録個体は、公認戦闘魔獣として扱われます」


 「続けよ」


 「公衆の前で統制・知性・危険度の審査を兼ねることが可能。結果次第では、正式な従魔登録へと移行できる」


 沈黙。


 玉座の間の誰もがこちらを見ている。


 「だが、それは家畜の魔物の話だ。当然外からの魔物は危険である事は分かるな?」


 「はい」


 「ふむ……」


 王の口元がわずかに上がる。


 「……面白い」


 王は肘掛けに指を軽く打ちつけた。


 「だが、失敗すれば?」


 「その場合は、従います」


 アカネが息を呑む。


 「我々はルールを破るつもりはありません。ただ――仲間を手放すつもりもない」


 しばしの沈黙。


 やがて王は、ゆっくりと笑った。


 「良いだろう」


 ざわめきが広がる。


 「次回開催のモンスターコロシアム。特別枠として出場を許可する」


 「ありがとうございます」


 「ただし」


 王の目が鋭くなる。


 「観客の前で制御不能と判断された場合――その場で処分だ」


 アカネが一瞬震える。


 だが俺は頷いた。


 「承知しております」



 ──こうして。


 次なる舞台は、灼熱の火山ではなく。


 歓声と視線が渦巻く、闘技場へと移ることになった。

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