表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テンプレ勇者の一目惚れラブロード  作者: しぇいく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/50

次のテンプレート!


 「さて、と」


 拠点も無事に決まり、地下には巨大な転送魔皮紙を敷いた。

 その上に、冒険中に必要になりそうな物や、欲しかった物を買い集めて並べていく。


 さらに、奴隷用ではあるが、アカネ個人のギルドカードも発行。


 全ての準備が終わり、やる事がなくなった__


 「そろそろか?」


 そう呟いた瞬間、まるでその言葉を合図にしたかのように、玄関扉の隙間から一通の手紙が滑り込んできた。


 床に落ちる直前、封蝋が弾け、宙を舞ったそれは、ふわりとリュウトの手元へ収まる。


 「郵便配達のいらない世界ってのも、新鮮だな」


 中にはグリード城への招待状が入っていた。



__________



________



____《グリード城》


 「ふぁー!? リュウトさん! グリード城ですよ!」


 「あ、やっぱり興奮するもんなのか?」


 「そりゃもちろん! 人生で行けるか行かないかくらいの場所ですから!」


 羽の生えたユニコーンの馬車に揺られ、グリード城の正門へと到着すると、アカネは耳と尻尾をぱたぱたと揺らしながら、目を輝かせて城を見上げていた。


 グリード王城――エリュゼの森に囲まれ、静寂の中に佇む孤高の城。


 だがその内部は、世界最先端の魔法研究と技術が集まる、“魔法の中枢”とも言える場所だった。


 「そう考えると……すごい所なんだろうな」


 「はい! もちろんです!」


 門が開き、奥から一人の女性が歩いてきた。


 たしか――


 「タソガレさん、お久しぶりです」


 「勇者様、お久しぶりです」


 そう。この城のNo.2の騎士、タソガレだ。

 俺たちが召喚された日に、最初に説明をしてくれた人物でもある。


 「アカネ様も、初めまして。私はグリード城、副団長のタソガレと申します」


 「は、はい! よろしくお願いします!」


 アカネは緊張で語尾を裏返しながらも、きっちりと礼を取った。


 ……ふむ。

 アカネは違法な奴隷だが、やはり気づかれないよう巧妙に細工されているらしい。

 奴隷制度が当たり前に存在する世界だからこそ、余計に見抜きにくい……というわけか。


 「それでは、ご案内いたします。こちらへどうぞ」


 二人はタソガレに続き、城内へと足を踏み入れる。


 豪奢な廊下の装飾に、アカネはまるで夢の中にいるかのように目を輝かせていた。


 そして――


 「お久しぶりですわ、リュウト様」


 大広間。

 長く並ぶ料理の先、その奥。玉座のすぐ傍で、サクラ女王は優雅に微笑んでいた。


 「お久しぶりです、女王様」


 ちなみにアカネには、召喚された当時のこともすでに説明してある。なので、大まかな事情は把握している。


 「どうぞ、お座りください」


 「はい」


 二人で席に着くと、女王はちらりと周囲を見渡しながら問いかけた。


 「あら? 報告にあった、もうお一人の方はどちらへ?」


 「みやは留守番です。家を買ったばかりで、防犯魔法の設置の立ち会いがありまして」


 ――もちろん、嘘だ。


 元魔王であるみやを、王族の目の前に出すわけにはいかない。

 万が一のことがあれば、国交を揺るがす騒動になりかねないからだ。


 「なるほど。それはお忙しい時に招待してしまい、申し訳ありません」


 「いえ、ちょうど防犯面以外は終わったところでしたので」


 「それでは……食事をしながら、本題に入りましょう」


 女王はフォークを手に取り、品よくステーキを口へ運ぶ。その様子を確認してから、こちらも軽く食事を始めた。


 (まあ、挨拶代わりに少しだけ口をつけて――)


 「お、おいしいっ……! おいしいですっ!」


 ……アカネは、すでに夢中で食べていた。


 (…………今度、テーブルマナーを教えておくか)


 そんなアカネの姿を見て、サクラ女王はくすりと笑う。


 「さて……クリスタルドラゴンの件ですが」


 ナイフを置きながら、女王は静かに話し始めた。


 「パーティーメンバーに、報酬はすべて譲渡されたそうですね?」


 「はい。資金には困っておりませんので」


 「そうですか……では改めて――クリスタルドラゴンを“一撃”で討伐された勇者様」


 女王の口元が、わずかに吊り上がる。


 「今やリュウト様は、グリード王国が誇る《英雄》……いえ、《勇者》として、その名を轟かせております」


 「恐縮です」


 「ですが……この知名度を、ただの名声で終わらせるつもりはありませんの」


 リュウトは、静かに視線を上げた。


 「“これから”の話、ですね?」


 「ええ。貴方には、グリード王国の“顔”として、肩書きを背負っていただきます」


 「クリスタルドラゴン討伐勇者、ですか」


 「そうです。その名がある限り、多少の異常事態も“勇者の判断”で納得させられる」


 「つまり……免罪符とまではいかなくとも、行動の自由度が増すということですね」


 「流石ですわ。まさにそれこそが、今日お招きした理由」


 女王は一枚の書簡をテーブルに置いた。その封蝋には、見慣れぬ王国の紋章が刻まれている。


 「こちらを、どうぞ」


 ――そして。


 「ミクラル王国からの、正式なご招待状です」







 さて、次のテンプレート。



 ____他の国への出張だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ