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テンプレ勇者の一目惚れラブロード  作者: しぇいく


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ギルドでのテンプレ


 「さて、と」


 翌朝、俺はギルドの前に立っていた。

 身に着けているのは、初心者用の鉄製プレートアーマー。

 動くたびにギシギシと鈍い金属音が響き、重さもなかなかのものだ。


 「これで初心者に見えるだろう」


 昨日の反応を見てわかった。

 冒険者達が見定める基準には“着ている防具”がかなりの割合を占めている。


 つまり、この貧弱装備ならば“あのテンプレ”が出来ることになるだろう。


 「いざ!」


 ギルドの扉を押し開けると、朝のざわめきが一瞬止まり、視線がこちらに集まる。


 いいね、昨日とは違って余裕のある目だ。


 食い付け、食い付け!


 「おい、ルーキー」


 来た!!


 筋肉ゴリゴリ、傷だらけの腕に、渋声で迫ってくる男。

 テンプレ中のテンプレ!


 「な、なんでしょう」


 「冒険者は命をかける職業だ、てめーみたいなヒョロガリが来て良い場所じゃねーよ」


 肩をガシッと掴まれた。


 こ、ここか?

 うーん、理由としてはイマイチだけどここでやるか?正解か?


 「で、でも一攫千金だし……あなたには関係ないじゃないですか」


 もう少し煽ろう。


 「テメーが出来もしない依頼を受けてる間はその依頼を他の人が受けれねぇんだよ!」


 うーん、まともな事を言う奴だ……

 まぁ、でも、それなら……これだ!


 「じゃぁ……」


 「っ!?」


 そのまま男の身体を持ち上げ――


 ドンッ!


 床に叩きつける。


 「な、なっ……てめぇ……!?」


 自分の重たい身体が一瞬で軽くやられ目を丸くしている……いい反応するじゃないか。


 「ごめんなさい……でも、これで認めてくれますか?僕が強いって事を」


 決まった!!!!!!!!!


 めっちゃテンプレっぽいぞ!


「やりやがったなッ!」


「そこまでです!」


 止めに入ったのは、ギルドの中年男。

 昨日ギルドカードを渡してくれた人だ。


 男は舌打ちして戻っていき、他の視線も次第に逸れていった。


 「大丈夫ですか、リュウトさん」


 「ありがとうございます、助かりました」


 そして小さく耳打ちする。


 「アナタは秘密の存在なんですからあまり目立つと困ります」


 「はい、気をつけます」


 うんうん、ここまで完璧な流れだな。


 そのままギルドの受付で依頼を受ける方法を教えてもらい一覧表を見る。


 いかにもな新人向けの依頼が並んでいた。

 雑用、掃除、荷物運び、果ては子守りまである。

 だが____


 「……あったな」


 明らかに浮いている依頼が一つあった。



 【討伐依頼:グロッグドラゴン】

 


 どうみても、これだけ浮いている。

 テンプレの物語の一つに“何も知らないで受けた依頼がすごすぎる”と言うものがある。


 だとすれば――これは、運命かもしれない。


 「ここに魔力を通せば承諾か」


 魔皮紙に魔力を通すと一覧から文字が消え、ギルドカードに転移先の目的地が設定された。


 「さて、初めての魔物討伐だ、気合い入れていかないとな」




 


 ◇ ◇ ◇


 


 ギルドにある転移ポータルで送られた先は、静かな砂浜だった。


 海風が吹き、波の音が聞こえる。


 「ギルドの保有する無人島……か」


 この島はギルドが魔物管理をしていて多くなったり異常が出たら冒険者に依頼が出る様になっている。


 「討伐日数は3日か」


 普通ならば準備をして、ターゲットを見つけるところで1日が過ぎる、と言うのが普通らしいが__


 「1日だな」


 そんな初めての依頼で時間をかけている異世界転生物なんて見た事ない。

 初めから強いのが異世界では常識!



 地図を確認しながら、俺は密林の入口へと歩を進める。

 途中、汚いイノシシのような魔物『メルピグ』が、苔をむさぼっていた。


 「……」


 豚が牛一頭くらい大きいものという感じだ。

 

 倒せば、三日分の食料にはなるだろう。

 でも、俺は剣を抜かなかった。


 「まだ狩るときじゃない」


 そう呟きながら、近くの石を拾って岩に投げつけた。

 メルピグたちは驚いて一目散に逃げていく。


 

 やっぱり、探すのに1日はかからなかったみたいだ。


 と言うことはここまでの行動は合っている。



 「って事だな」

 


 前方の大岩が砂を巻き上げながら這い出てくる。


 それは、擬態していた――


 「ブォゴァァァァル!!」


 「グロッグドラゴン!」


 ドンッ、と地を踏みしめる音がする。

 見上げるほど大きい図体。

 鋭く光る赤い目が、真っ直ぐ俺を見据えていた。


 牙。爪。鱗。すべてが“殺意”の塊。


 

 「さぁ!テンプレ通りに討伐と行きますか!」



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