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テンプレ勇者の一目惚れラブロード  作者: しぇいく


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アカネとみや

 時刻は朝方。

 ボロボロの家のリビングでは、リュウトの寝息が響いていた。


 「帰ったら、すぐ寝ちゃいましたね」


 「ぅんっ。リュウトって、狩り中ねなぃでしょっ?」


 「はい」


 「ほんとぅは、本人ぃわく寝なくてもぃぃんらしぃんだけどっ、パフォーマンスが落ちるから、寝れるときはちゃんと寝るって」


 「なるほど……」


 アカネがうなずいた瞬間、みやがふと前を見て言った。


 「ぁと、そろそろくるよっ」


 「?」


 ――その瞬間だった。


 「……アオイさ……ん……♡……けっこぅん……したい……むにゃ……」


 「……」


 「……ねっ♪」


 「え、えぇ……これ、ご主人様の?」


 「ぅんっ、定番のねごとっ。今のぅちに慣れてた方がぃぃよ〜?」


 「……でも、なんか分かる気がします。妹ちゃんって、本当に綺麗な人だったし……守ってあげたくなるような」


 「そぅなのっ?わたし、しらなぃんだよねっ……」


 少しだけ寂しそうに口を尖らせるみや。


 「あ、えっと、私もたまたま一緒の組みになっただけなので!」


 慌てて手を振って否定するアカネ。


 そんなやりとりをしている間にも、リュウトの寝言は止まらない。


 「アオイ……さん……では……ベッドへ……」


 「ご主人様!?夢で妹ちゃんと何してるんですかーっ!?」


 思わず大声を出してしまいハッとするが__


 「ふふっ、だぃじょーぶっ。リュウトはぉきなぃよ〜?」


 言われた通り、まったく起きなかった。


 「す、すごいですね……」


 そのまま会話を続ける。


 「リュウトって、色がみぇなぃんだって」


 「色……ですか?」


 「ぅん。知らなぃってわけじゃなくて、段々と無くなって世界が白黒になったんだってっ」


 「白黒……あれ?でも、ご主人様は妹ちゃんの髪や瞳を__」


 「そぅっ!唯一“色付き”でみえるのが、アオイなんだってっ」


 「それで妹ちゃんを……」


 「ちなみに……わたし、リュウトの事をあぃしてるんだっ」


 「へ!?」


 「みなまで言わなくても、言いたい事はわかるよっ……むりってぃぅんでしょっ?」


 「え、あの、すみません……っ」


 「ぅぅん、振り向いてくれなくても、それでも恋って成り立つものじゃなぃ?」


 「答えのない過程……」


 「ん?何それっ?」


 「い、いえ、ご主人様が言ってたんです。結果が分からないけど少しずつ近づいていく過程が大事だって……」


 「なるほどっ、わたしの場合は結果が分かってるけどっ」


 「いえ……もしかしたら妹ちゃんがご主人様を選ばないかもしれません、そんな結果もあるんじゃないですか?」


 何気なく言った一言だが。

 自分の言葉がリュウトからかけられた言葉と似ていることに気付いた。


 「そう言うこと、ですか」


 「ん〜っ?」


 「少し、私の過程も一歩進んだかもしれません」


 「そうなのっ?アカネは何を目指しているのっ?」


 「私は“普通の奴隷”の答えを探して居ます」


 「普通の奴隷?確かにっ難しぃねっ」


 「はい……でも、みやさんに言って思いつきました、答えが分からないなら自分なりの答えを持って歩いていくのもありかと」


 「どうするのっ?」


 「普通の奴隷ではなく“理想の奴隷”を少しずつ……目指していこうと……」


 「ふーんっ?私の理想はリュウトと結ばれて子供を作ることっ、みたいに?」


 「はい、私の理想の奴隷の姿……ご主人様と仲良く__」


 その瞬間に思い出す奴隷オークションの記憶。


 “物”になれなかった中途半端な奴隷の自分を思い出して口を閉じてしまった。


 「……」


 「アカネっ?」


 「なんでも……ありません」


 「…………たぶんっ、そぅ言ぅ所だと思ぅっ」


 「何がですか?」


 「少しずつ歩んでぃくって意味っ……何を思ったか今は聞かなぃけどっ、また進んだらはなしてねっ」


 「はい……」


 重苦しい空気。

 だが、みやのひとことで少し変わる。


 「わたしはまず、リュウトをアオイから離れさせることからはじめよっ」


 そう言って、みやは指差した。

 リュウトの……股間を。


 「えっ!?」


 そこには、明らかに“立派”なモノが存在していた。


 「こ、これは……っ」


 かつてのアカネなら、ご主人様のために全裸になりすぐに“処理”しようとしただろう。

 だが、アオイをどう思っているか知っているアカネはもうそう言う行動はしない。


 「……確かに……妹ちゃんが襲われるのは見たくありませんね」


 少し、考えが変わってきていた。

 無意識のうちに一歩ずつ進んでいっている証拠でもあった。


 みやはふふっと笑い、アカネの肩をぽんと叩く。


 「てわけで、そろそろ来るよっ」


 「何が、ですか……?」


 みやは何も言わずにその場から離れ距離を取った。

 

 「3、2、1……」


 そして謎のカウントダウンが始まり……


 「ぜろっ」


 「アオイ……さーーーーーん!!!ぶひゃっ!!」


 リュウトの鼻から、尋常じゃない量の鼻血が噴き出した。

 もはや、致死量レベル。

 鼻血のジェット噴射!


 「ご、ご主人様ぁぁあーーー!!?」


 「これがほぼ毎日あるから、寝てるリュウトがかわいくても、近寄っちゃだめっ」


 「先に言ってくだ__にゃぅ!?」


 顔も服もソファも鼻血だらけ。


 「はっはっはっ!」






 「みやさん!?笑ってる場合じゃないですよ!ご主人様が!リュ、リュウトさんがーーーー!!」





 「しゅくはぃしゅくはぃっ!これからよろしくねっ!」




 「えええええええ!?」




 


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