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テンプレ勇者の一目惚れラブロード  作者: しぇいく


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43/49

完璧な調教


 「ただいま」


 「ただぃまっ」


 「……」


 とりあえずそのままNo.34をクイーンズの家まで連れて来た。

 

 格好はボロ布切れのまま裸足。

 他から見たら奴隷……だが、不思議と周りからは変な目で見られなかった。


 たぶん、元の世界で見慣れてない俺だけが違和感を持ってるのだろう……その証拠にギルドの審査すら奴隷と言う事ですぐに手続きが行われていた。



 「どうした?入らないのか?」


 「ご、ごめんなさい……このままだとせっかくのお家を汚してしまいます、私は外で良いのでご用があれば呼んでください」


 「なるほどな、みや」


 「ん〜っ?」


 「この子の足を拭いてあげて、シャワー室まで案内してやれ」


 「はぁ〜ぃっ」


 「だ、大丈夫です!私なんかが__」


 「これは命令だ」


 「は、はい!申し訳ございません」


 「俺は休むから後はみやに従って体を綺麗にするんだ」


 「はい……」


 そのまま、俺はリビングに行きボロボロのソファに座る。


 「…………」


 アオイさんの写真を取り出し眺めて__


 「あぁ……可憐だ……」


 待て……“可憐”という言葉で終わらせていいのか?もっとアオイさんに合う表現はないのか?

 世界的?いや、あれは宇宙的というか“世界”は世界じゃなくてそう言う世界と言うか……

 殺人的?いや、あれは連続殺人よりもやばい……うーーーん。


 考え出したらキリがない……


 この写真、どうやって使おう__


 「……よし、新しい家を買って自分の部屋を作ろう」


 


 正直、今まで自分の部屋なんていらないと思っていたが………………




 アオイさんの写真で部屋をいっぱいにしたい!!!!



 アオイさんに見られてたい!ずっと!

 アオイさんの顔を見てたい!

 アオイさんの写真で◯◯◯◯(自主規制)



 もう、ほんとね、この写真見るたびにもうダメなのよ俺。



 あぁ……アオイさん……写真なのに色がついてる……



 「リュウトっ……」(ジトー)


 「ん?どうした?」

 

 「きもちわるぃっ」


 「お前だって俺の着てるもので色々してるだろ」


 「ふぇっ!?ど、どうしてそれをっ!?」


 「いや、分かるよ、この家狭いし」


 「ぅぇえっ……リュウト、家かぉ?」


 「それには同意だ」


 普段の会話をした後に本題に入る。


 「それで、どうだった?あの奴隷は」


 「ぅん、名前は“アカネ”、アバレー王国出身の獣人、幼少の頃から奴隷だねっ」


 「なるほど、アカネか、呪いは?」


 「ある程度、帰ってくる間に解呪したけどっ……」


 「流石みや、優秀だな……けど?」


 「ぁれは心から奴隷だねっ、強制的にぃうことを聞く呪ぃはかかってかったっ」


 「そうか、つまり、完璧な調教と言うわけだ」


 「ぅんっ、色々な感情が試行錯誤してて常にパニック状態ってとこかなっ」


 「ふむ、少し考えないとな」



 アオイさんの事を聞いたらもちろん、話してくれるだろう。

 だが、人間というものはリラックス状態の方が頭の回転は早い。



 例えば、授業で自分が当てられるより他の人が当てられて、それを見ていた方が答えが出てたりする。


 

 アオイさんの情報を聞くのはいいが思い出そうとして必死になればなるほどパニックになるのは目に見えてる、まずはリラックス状態を作るところからか……



 「あ、あの……」


 

 2人で話しているとシャワーを終えたアカネがリビングに入って来た____全裸で


 「わ、私は、ま、まだ幼い身体ですがよろしくお願いします、精一杯ご奉仕させていただきます」



 女の子が全裸で土下座。


 

 これは重症だな。


 「みや」


 「はぁ〜いっ、ぃってきまーすっ」


 みやは察して夜なのに家から出て行った。


 「あ、あの、ありがとうございます……私の自信のない身体を同性に見られるのは少し恥ずかしいので……」


 ふむ、エッチな事をするから2人きりにしたと思われてるのか?


 残念だが、俺はアオイさん以外の裸体には興味ない。

 医療の人が裸体を見るのと同じ感覚だろう。


 

 「……」


 だが、頭ごなしに否定してもご主人の機嫌を損ねた、とパニックになるに違いない__


 「No.34」


 「は、はい!」


 「今は____ご飯が食べたいな、何か出来るものはあるか?」


 「ご,ご飯ですか?だ、大丈夫です!」


 「じゃぁ、キッチンの物を使って良いから何か作ってくれ、少し辛いものが食べたい」


 「分かりました!」



 そう言って全裸でキッチンに向かった。

 リビングから普通に見えるので異様な光景だ。



 「さて、と」



 時間稼ぎは出来た、後はみやの帰りを待つか__


 

 ________



 ____



 「ただぃまっ……って、なにこれっ?」


 みやは大きな紙袋を持って机に置かれた肉の上に真っ赤なソースのかかった料理を見る。


 その隣に全裸の女が居るのも異様だが。


 「おぉ、おかえり、No.34が作ったんだ、後で食ってみろ、美味いぞ?」


 「ふーんっ?ぁとで頂くね」


 「それより、良いのあったか?」


 「ぅん、無理やり起こしてかってきたっ」


 そういって紙袋の中身を出すと服が入っていた。

 

 「おーいいじゃん、No.34」


 「は、はい」


 「これはプレゼントだ、これを着たら今日からアカネとして名乗っていい」


 「え!?どうして私の名前を……」


 「こちとら優秀な目利きが居るからな」


 「ぇっへん」

 

 「着てみろ」


 「…………良いんですか?私なんかが……」


 「聞き返すのは逆に失礼じゃないか?」


 「!?、も,申し訳ございません!すぐに!」


 せっせと、みやが持って来た服を着るアカネ。

 スリーサイズも身長も大きさもぴったりのはずだ、それが“視えてる”人に頼んだのだから。


 挿絵(By みてみん)

 「……」


 アカネは服を着て少し照れくさそうにしてる……いや、全裸の方が恥ずかしいだろ。


 

 まぁでも、良い兆候だ……全裸で居る自分は奴隷としての人格。

 そして服を与えられた時は奥底に眠ってる“自分”が出たんだろう。



 「ぉぉっ、さすがわたしっ似合ってるっ」


 「あ、ありがとうございます……」


 「どぅぃたしましてっ、じゃぁ私もたべよっ」


 俺とみやはアカネの作った料理を美味しく食べあげた。



 __________



 ______



 ____



 「さ、食べな」


 「え……」


 「キレーライスだ、知ってるか?」


 白い皿に盛られた、それは香ばしいスパイスの香りを漂わせていた。

 見た目も匂いも、間違いなく――俺の世界で言う“カレー”そのもの。


 この世界では“キ”レーライスと呼ぶらしい。

 スパイスや調理法は違っても、最終的に似た味にたどり着くのは、料理ってやつの面白いところだ。


 「は、はい」


 先程、自分の作った料理には口をつけなかった。

 だが、敢えて俺はそこでは本人の意思を尊重し食べさせる命令を出していない……全てはこのため。


 「食べていいぞ」


 「でも、私は奴隷……」


 おずおずと視線を伏せるアカネがそう呟いたその時、

 ぐぅぅぅぅ……と、情け容赦なくお腹が鳴った。


 フッ、これが狙い。

 食べさせなかったのはお腹を極限まですかせる為。

 頭では拒否してても匂いに反応し身体が正直になった証拠の音!


 「ご、ごめんなさい! はしたない私を許してください……!」


 ふむ……しかし、“食欲”さえも制御されているとは、中々厄介な洗脳だ。


 「そうだ、はしたないと感じるなら、食べろ」


 まぁ独り立ちするまでは俺が命令を出す感じで少しずつ慣れて行ってもらおう。


 「は……はいっ! いただきます……っ!」


 両手を合わせ、ぎこちなくスプーンを取るアカネ。

 そして、恐る恐るひと口。


 「……!」


 目が、見開かれた。


 そのままゆっくり咀嚼し――次の瞬間、

 頬が、ぱぁっと赤く染まった。


 「おいしぃ……っ……おいしいです!そんとに!」


 ふるふると肩を震わせながら、アカネは夢中で次のひと口へとスプーンを運んでいく。

 その様子はまるで、小さな子供がはじめて“ごちそう”に出会ったかのようだった。



 

  

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