クリスタルドラゴン!いるじゃん!
「あぁあああ!!!!!!!」
「なっ!?どぅしたのっ?リュウトっ?」
「アオイさんの事をギルドに聞くの忘れてたぁ!!」
「あぁっ……」
森の中を走りながら自分のド忘れに気づく俺。
くそ!義兄さんの事で頭がいっぱいになって忘れてた!本末転倒!灯台下暗し!
「で、でも俺の仮説が正しければクリスタルドラゴン討伐でみんな揃う……よな?」
お義理兄さんの負傷……あれはどうみても戦えそうになかった……ここに来て少し心配になってきたぞ。
「それより、クリスタルドラゴン、当然お前は知ってるよな?」
「ぅんっ、災害だねっ」
「災害?」
「自然災害みたぃに逃げて隠れてその後に修復してるっ」
「なるほどな、分かりやすい」
「だけど私は過去に一度ぁぃつと戦って追ぃ返した事がぁるのが自慢っえっへんっ」
「そりゃ凄いな、それで攻略法は?」
「ぅ〜んっ、無ぃ」
「その魔眼で見た時に何かわかったんだろ?」
「一応“コア”が弱点だけど……」
「把握」
「ぇ?はやくなぃ?」
「良くある話だ」
「良くぁるのっ????」
「大体そう言うものだろ……後、伝説の勇者は本当に居たんだな?」
「伝説の勇者……」
みやは少し悲しそうな顔をした後に肯定した。
「ぃたょ……」
「把握した」
クリスタルドラゴンは大昔に“伝説の勇者”によって封印された。
封印の方法は解らないが、同じ【勇者】としての称号を持つ者……俺も対面したら何か分かるかも知れない。
「っ!」
そう考えていると気配を察知し、その場で俺は急ブレーキをかけた。
上を向く……そこには__
__クリスタルドラゴンが飛んでいた。
青く透き通った身体。月の光を反射して、全身がきらめく。
その翼は美しく大きく、羽ばたくたびに空気が震える。
細かな鱗の一枚一枚が、宝石みたいに輝いていた。
首から背にかけて伸びる水晶の棘。
そして何より、あの真紅の瞳__
空にいるはずなのに、足元がすくむ。
恐怖。
前の世界で死ぬ時にも感じなかった『感情』が俺の心を揺さぶった。
「新しい発見だな」
さっきまで考えていた事が恐怖により全て吹き飛んだ。
冷静にいられなくなってる証拠だ。
「ぅにゅっ?」
「いや、何でもない」
なら……“考えないのが答え!”
「最初から全力だ!」
俺はレイピアを構え、重心を下げて――思い切り、真上に投げ上げた。
同時に、全身の魔力をレイピアに送り込む。
柄から刃の先端まで、眩いほどの光が走った。
「堕ちろ!!!!!!!!!」
魔力に包まれたその刃は、まるで夜空を貫く一本の白い光線。
そしてその光線は的確にクリスタルドラゴンの翼の根本を貫いた。




