アオイの行方
「さて、と」
こう言う時、頭がスッキリした、などを表現すると思うが俺の頭はアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイさんアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイアオイ!
っとなってる。
「むしろ、呪いのおかげでスッキリしてた説とか?」
だがこれでも一つ言えることがある。
「人生楽しい」
恋愛という最大の目的を持つのは人生を華やかにしてくれるな
「本当に、感謝しかないな」
「んゅ?」
隣を歩いているみやを撫でる。
コイツが居なかったら俺はいまだに呪いにかかっていたままだっただろう。
いつかお返しをしたいが何が欲しいかと言うと俺の身体を要求してくるからなぁ……ま、それはいつか考えるか、童貞はアオイさんに捧げるし
しかし、呪いってのは厄介だ。
これまでアオイさんの事を調べる事も会いに行く事も出来たのに無意識に全く考えてなかった。
「さて、まずは情報だ」
ここにきて数ヶ月経つがヒロユキはともかくアオイさんの噂を全く聞かない。
あの美貌だ、冒険者になればすぐに噂が広まるのは俺がよくわかっている。
「それが無いという事は何かトラブルがあったのに違いない」
そう言って到着したのは冒険者達の集まるギルド。
「いらっしゃい!おお!銀騎士!」
「みんな!リュウトが来たぞ!」
入ると全員からの視線が集まる。
いつもなら友好関係を保つために1人1人対処するのだが今は時間が欲しい。
「みんな今日は好きなだけ食って飲んでくれ!全部俺が払っとくから!」
「「「「うおおおおおお!!!」」」」
こう言うとギルド内は俺の事よりも料理や酒の事に集中するのでヘイトが分散する。
「みや、行くぞ」
「ぅん」
その間にギルド長の居る部屋に飛び込んだ。
「うわっ!?リュウトくん!?どうしたんだい?」
中で書類整理していたギルド長が驚く。
「ひとつ聞きたいことがありまして!」
「な、なんだい、そんな大きな声を出して君らしくな__」
最初はニコニコしていたが俺の真剣な表情に只事ではないと感じとだてくれたようだ。
「……何があった?」
「勇者の事で聞きたいことがあります」
「!?」
彼は慌てて立ち上がると、周囲をぐるりと見回し、素早く手を動かして結界の魔法を展開する。扉は自動的に閉まり、室内に防音の魔力が張られた。
「……その単語は禁句だよ、リュウト君。誰かに聞かれて噂になったら、必然的にリュウト君が疑われることになるって、わかるでしょ?」
「はい」
「言っとくけど、勇者のことに関しては――君に対しても“答えられない”ってことになってるんだよ……だから、これはあくまで私の独り言になる」
つまり、それは“オッケー”という意味だな。
「ありがとうございます……まず聞きたいのは僕達が召喚される前の話です」
「僕が初めて聞いたのは君たちが来る1ヶ月前だったね、詳細な情報はほとんど言われていない、ただ、3人も勇者が来るって聞いた時はその場でひっくり返っちゃったよ」
3人……やはりアオイさんが来るのは伝えられていたのか。
「3人目はいつ来ました?」
その解答は予想通りだった。
「来てないよ、3人目は」
「やっぱり……」
「それがどうかしたのかい?」
「え、いや」
おかしい。
あれだけ準備をしていたのにその返答は?
普通なら3人目が来ないことに疑問を持っていいはずだ、だが、目の前の人はそんな事を微塵も気にしていないように見えた。
「変と思いませんでしたか?」
「うーん、悪いけどこっちとしては面倒事が減ったって感じかな、城が来させない判断をしたのかも確認できないし、余計な事は首を突っ込まない方がいいからね」
なるほど。
だが“来ていない”という事の確証は得た。
つまり、俺が次に確認する事はこの3つ。
・アオイさんがまだ城に居るのか。
・アオイさんは他の街に輸送されたのか。
・アオイさんが輸送中にトラブルがあったか。
元々この世界に居なかった俺達だ、途中で死ん__
「っ」
「リュウトくん?」
死んでも問題ない。
死ぬ?アオイさんが?
なら俺の生きる意味は?存在価値は?
やばい、アオイさんが死んだ時のことを考えると足元に大きな穴が空いて落ちる感覚がする。
冷静になれ、勇者としての特典は身をもって経験してるだろ。
スタミナ、治癒能力、筋力、反射神経、どれもこれもが現実離れしている……アオイさんも勇者だ、俺と同じだから死ぬはずがない!
「い、いや、なんでもありません……城と連絡を取ることってできますか?」
「いや、残念ながら無理だよ、グリード城はどこにあるかすら知らないし何か用があるなら、あちらから連絡してくる」
「そうですか……」
「だけど、1つ、行く方法がある」
そういうとギルド長は紙を戸棚から取り出した。
「これは?」
「グリード城の騎士になる推薦状だよ」
「なるほど」
冒険者のランクのエメラルド冒険者の一握りがなれるグリードの騎士。
「エメラルドじゃないですけどいいんですか?」
「君の場合は僕が推薦したということにすれば問題ないと思うよ、数ヶ月でダイヤモンド冒険者、さらには城も君の事情を知っているからね」
「確かに……」
ならば話は早い。
「頼みます」




