クバル村
「ここか」
人の気配はまったくない村。
かつて家だった建物は、結界が機能しなくなったおかげで風化し、魔物に荒らされた後でボロボロだ。
俺はギルドにあった“集団失踪事件”があったクバル村へ来ていた。
もちろん、秘密ではない。
正規のルート……つまり、ダイヤモンド冒険者として“人探しの依頼”で承認され、来ていた。
なぜここに俺が来たのかというと――
「俺たちが召喚される数日で事件が起きた村、か……」
集団失踪事件に関しては誰もが知る怪事件。
当然、情報は調べれば出てくる。
そして、その事件は俺たちが召喚される数日前に怒っていた……勇者の事は秘密なので俺たちしか解らない情報である。
「……」
廃村を静かに歩き始める。
すると、一つだけ……
「やっぱり、何かあるな」
クバル村の教会。
その建物は、周囲の朽ち果てた建物群の中でひときわ異彩を放っていた。
ひび割れもなければ、崩れかけた壁もない。
まるで時間の流れから取り残されたかのように、その建物だけがしっかりとした姿を保っていた。
「……」
扉を開く。
中に入ると、厳粛な雰囲気とともに漂う静寂。
正面には、大きな髪の長い女の銅像があり。
そこまで伸びているレッドカーペットに沿うように長椅子が並べられている。
「さて、と__」
俺は一枚の魔皮紙を取り出して魔力を通す。
「【サーチ】」
この魔皮紙の使い方は、本来魔物用の罠を張った時に自分がハマらないように場所を確認するために使うものだ。
__その魔法を応用して俺が作ったオリジナル魔皮紙。
「全部見えてしまうのは今後の課題だな」
この世界では建築にも魔法陣が使われてるので、数百、数千の魔法陣が見える。
「だけど、それならそれで“そこに魔力が流れている”と言う事だな」
建物維持の魔法が発動しているなら必ず元があるはずだ。
そして建築用魔法陣の配置は全て頭にインプットしている。
「…………あれか」
ジャンプして天井の魔法陣を起動させる。
すると、まるで生命が宿ったかのように正面の女の像が動き始め、自分の立っていた箇所の床を開け、地下への階段が現れた。
「隠し部屋、地下通路への道……良いね、テンプレ通りだ」
【光源】という、光の玉がついてくる魔皮紙を使い一本道の長い長い暗い階段を進み、開けた大きな空間に辿り着いた場所には__
「なるほど、今回のテンプレの予想がついた」
白い巨大な蛇が眠っていた。




