何故、この歌が流行っているのかを考えてみた。
流行る歌には理由がある。
多分ね……
正確には「考えてみた」では無く、考えたら「ゴメンと言いたくなった」が近いのですが……
ともかく、その歌というのは「逆風オールバック」という題名の歌になります。
リコーダーを携えた小学生の女の子が無表情で、かつコミカルに歌う動画を見て、正直に言うと「何故こんな歌が流行っているんだ?」と言うのが私の正直な感想でした。
外出た瞬間 終わったわ
天気は良いのに進めない
風 強すぎて お亡くなり
定期 定期 定期的に
オールバック
そのような歌詞が何故にこんなにバズるのか……
特に「風 強すぎて お亡くなり」の「お亡くなり」の部分が意味不明で、この歌の何が面白いのかまったく理解出来なかった。
最初は、そのような感想でした。
ですが、「この歌は何か社会を風刺しているのか?」と考えたら、今の若い世代に対して「申し訳ない」という気分が打ち寄せてくる事になりました。
最初に、「社会を風刺した歌」として私が思い浮かんだのが「泳げ!たい焼きくん」です。
毎日〜、毎日〜、僕らは鉄板の〜、上で焼かれてイヤになっちゃうよ〜
そのような歌い出しで始まるこの歌は、これは当時のサラリーマンを風刺した歌として大ブレイクしたものです。
変化のないサラリーマンの決められた日常を「たい焼き」を作る工程になぞらえたこの歌は「社会を風刺した代表的な歌」とされていると言っても良いでしょう。
その「たい焼きくん」に対して「逆風オールバック」もまた、社会の風刺を表した歌として、非常に意味深いと私は感じたのです。
外出た瞬間 終わったわ (社会に出た瞬間、私の人生は終わった)
天気は良いのに 進めない (希望、夢はあるのに 進めない)
風 強すぎて お亡くなり (夢に向かうのに 余りにも障害が大きすぎて 絶望しかない)
定期 定期 定期的に オールバック (その障害は 常に私にまとわりつき 振り払うことができない)
そのように解釈した途端にネガティブな気分が押し寄せて来ました。
それを杞憂だ、気のせいだと言い切れない事に少なからず動揺し、「申し訳ない」という気持ちを心に浮かべてしまいます。
若い世代が希望を持てない社会
たぶん…… いや、確実に今の社会はそうであるだろうと思うからです。
もし年配の方で、それを本当に杞憂だと言うのなら、先進国と言われている国の中でも日本が「若い世代の自殺者」がトップクラスな理由を教えて欲しいものです。
実際、私がどうこう言ったところで社会が良くなるわけでも無いのですが、それでも「希望さえ持てない社会」などというものを作り出した世代として「ゴメン……」と言いたくなります。
この歌はこれまでの内容を意図して、この歌詞を作られているのかは分かりません。
ですが、そのような意図に読み取れてしまう今の社会に、私たちは真摯に向き合う必要があるのではないかと思います。
子どもや孫の世代に「ゴメン」では格好がつかないでしょう。
それで済ますのなら、それこそ「終わったわ」と言われることでしょう。
わしもオールバックにするかの……