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クラス一クールな美少女の趣味を知ってしまった

いつも通りホームルームが終わり下駄箱で靴に履き替えていると俺は、スマホが無い事に気付いた。


あれ、スマホ何処だ……。いつも鞄に入れてるはずだから落とすはずが無いが……。


ポケットや鞄の中身を漁っても何処にもスマホと言う万能道具は無い。


まさか……教室に忘れたか……。


取りに行くのを面倒臭いと思いながら周は、体を玄関から教室の方に向けて歩いた。


毎日足を掛けて登る階段を上がって一番奥の教室のドアを開け自分の机に向かおうとすると。


そこには、アニメを見てニヤついてる、クラス一可愛いと名高い坂月有紗が居た。


教室のドアの開いた事に気付いたのか有紗は、すぐさまこっちを振り向いて言った。


「だ、誰!?」


有紗は、上擦った聞いた事の無い声でスマホからドアの方に視線を移した


「坂月さん……何してるの?」


有紗は、周の問い掛けに驚いた様子できょとんとして口をはくはく動かしながら喉から絞る様な声で喋った。


「えっ……どうして、この時間は誰も来ないはずなのに……」


有紗は、焦りのあまりか今にも泣きそうな声であわあわと視線をさ迷わせていた。


「確か……高橋さん? どうしてここに……」


有紗は、泣きそうな顔でこちらを見ながら周に教室に来た理由を尋ねてきた。


「えっ、あ、スマホを教室に忘れて取りに来ました……」


周も若干上擦った声で教室に来た理由を言うと、坂月は顔を少し下に向けて周に近ずき泣きそうな顔を正面に向けて言った。


「高橋さん、お願いします……この事は誰にも言わないで下さい……他言無用たごんむようでお願いします……」


そんな事をクラス一の美女に間近で言われた周は、動揺していた。


なんだって、クラス一の美少女と名高い彼女がこんなに近くで、話し掛けて来たらクラスのイケメン男子でも動揺するのに喋った事も無い俺が近くで話し掛けられたら動揺するのは、当たり前だ。


「大丈夫だよ。坂月さんの秘密は、言わないよ。」


「本当ですか?」


「本当だよ。坂月さんがアニメを見てた事は、絶対言わないよ」


「助かります……」


アニメ好きな事くらいそう珍しいことでも無い。例えクラス一美少女と言われてる有紗がアニメを見ていたくらい不思議でも何でもない。人には、趣味がそれぞれ有るんだからその趣味を声高々言いふらす方が最低な行為だ。


それに俺が言いふらした所で俺と有紗では、地位の高さも住んでる世界も違うんだから俺の方が嘘ついてると思われるに違いない。


周が有紗に、「誰にも言わない」と言うと有紗の顔色は見る見るうちに元気になって、アイドルやアニメのキャラにも負けない美しい銀髪を揺らしながら――。


「二人だけの秘密ですよ?」


頬を若干赤らめて有紗を見て周は、心臓を納めていた。


はあ……この美少女は……詰め方が上手だな……美少女にこんな事言われたら、年頃の陰キャ高校生は勘違いするって……本当に心臓に悪い……。


内心愚痴りながら周は、自分を落ち着かせて若干上目遣いをしている有紗に言った。


「分かった」


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