家族。
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一度部屋へ戻って母さんと話して、一時間が経過した。
俺ー奏音は父さんを待つ。
「ただいま」
「おかえり、父さん」
「陽奈ちゃんは?」
父さんがそんな質問をする。
「帰っていると思うわ、海斗さん」
「そうか。奏音、部屋を見てきなさい」
「了解」
部屋へ戻ってみると、階段が上がっていた。
このことを伝えると、母さんは冷静に言った。
「さっきの会話を聞かれていたのかもね。寝たんだと思うわ」
こっちを見た。
「階段、無かったでしょう?」
「うん」
子供みたいな答え方をしてしまった。
「大丈夫よ。明日には、起きて‥‥‥ん? 通知が来た」
母さんのスマホが鳴った。
「えとえと、『再婚したのか』ですって。ブロックしてたのに」
トラウマは相当らしい。
「『今度会えないか?』は? 会う訳ないでしょう。大事な娘傷つけて!」
「まぁまぁ、落ち着いて、愛子」
父さんがストップをかける。
「なんで元嫁に今になって連絡するのよ! いきなり再婚したのかって、酷くない?」
「確かにね」
なになに?
ええと、通知の内容を纏めるとこう。
・会えないか。
・会えないなら、陽奈でいい。
・戻ってこいよ〜。
です。
通知が来るたびにぷりぷりと怒る母。
それを止める父。
「陽奈で良いって酷いです」
俺は言った。
父だったとは思えない発言である。
「勿論、行かせないわ。大切な娘ですもの。もうあの男のせいで傷つけたくないわ」
ですよね。
「はい。まずはお夕飯だよ、愛子、奏音」
「はーい」
「分かった」
食卓の準備を俺はして、母さんは皿に盛り付ける。
結婚する前、たまにあった光景だから、不思議には思わない。
それでもぷりぷり怒ってるから、父さんがストップかけている。指を怪我しかねないから。
「置ける?奏音」
「置けるよー」
今日は3人分。さっき部屋に戻ったら、やっぱり階段が上がってたから。
「こんなもんかしら」
ことりと最後の皿を置いて、準備は終わり。
「絶対にさっきのは陽奈ちゃんには言わないこと。分かった? 口が滑ったとかも無しで」
「了解です」
「勿論よ」
父さんは会社員だ。優しいし、カッコいい。俺の憧れ。
とりあえず、夕飯を食べて、風呂に入り、各々の部屋に戻ったのでした。
元父が酷い奴に確定してしまいました。そうなると思っていなかったので、作者も意外です。
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