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義理の兄と妹。  作者: 紫鶴
お母さんの再婚一年目の夏休み。
7/28

陽奈の葛藤。


 よければブックマークなどよろしくお願いします!


 お兄ちゃんが出かけたその日、バイトが終わって帰ってきたら、お母さんとお兄ちゃんが話していた。


(何、話してるんだろう)


 純粋な気持ちだった。

 少し開けて覗いてみると、会話が聞こえる。


「佐藤知衣花に聞いてきた。昔の事」

「そうなの? あの人の事も聞いた?」

「あいつが母さんに聞いたらって」

「あら〜、トラウマなのね、知衣花ちゃんも」

「トラウマ?」

「あの人の事はどのように?」

「要約するとひどい奴と」


 ・・・・・・ぃ、いやだ。


 こんな話だけで、体が不調を訴える。

 過呼吸になった体に鞭を打ち、自分の部屋に行く。

 入口を閉め、階段を少し伸ばすと開かなくなる。

「・・・・・・ちーちゃん」

 話しちゃったんだ。

 言いたくないし、知られたくもない、私とお母さんとちーちゃんの秘密。

 この様子だと、お父さんにも知られてしまうだろう。

 コップに水を注いで、カバンから薬を出した。

 机の上に置いておくだけ置いて、ベッドに転がる。

 何もしたくないな。今。

 食べたくないし、飲みたくもない。

 元父(あいつ)のせいで人が苦手になったと言っても過言ではない。

「しんど」

 心が、体が、私の全てがしんどい。

 もちろん、ちーちゃんもお母さんも大好きだし、なんだかんだでお兄ちゃん達も好き。

 だけど、聞きたくなんてなかった。

 転校の理由だって元父だし、お母さんの離婚の理由だって、私と元父だし。

 多分、私の生活が狂い始めたのは、元父が原因かもしれない。 

「何しよう」

 体を起こす。

「新作のイラストでも描こうかな」

 カバンからノートを出した。

「期間限定で出される事になったから、材料の見直しかな? いや、でもマスカットが高いからこれ以下は無理かも」

 所詮、私はカフェの、店員。

 何故かポロポロと、涙が出てくる。

「もうだめだ、今日の私」

 夕方だし、薬を飲んでベッドに転がった。

 程なくして、眠気が私を襲う。


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