友達の話。
ブックマークなど、よろしくお願いします!
次の日、久しぶりに制服に袖を通し、メモと筆記用具を、カバンに入れ、私ー佐藤知衣花は家を出た。
電車に乗って3駅通過した。
電車を降りて、駅から歩く事約10分。
私が通う田戸高校に着いた。
中へ入って3階へ上がり、防音室へ。
防音室は、誰にも聞かれたくない話をする時に使う部屋です。
「遅くなり申し訳ありません」
「大丈夫だ」
「気にするな」
田戸高校に勤める一年C組担任の先生と葉月がいる。
「いえ」
2人の前に座り、カバンを置いた。
「では、話を始めましょう」
「転校させる予定は、夏休みが終わってすぐなのでしたよね」
「その予定です」
「でしたら、それまでに一度この店に来てください」
メモに喫茶オリオンの名と、住所を書いて渡す。
「行く前提でお話しします」
ふぅ、と一息ついて、話し出す。
「葉月陽奈、15歳。旧性、歌月。いじめられっ子でした。又、母親と離婚した父と一ヶ月に一度、会っていました。その度に、主に暴力、暴言、監禁をされた為、男性を信じることが苦手。尚、彼女の強い希望で、今年の2月より、会っていません。現在の高校では、一応一ヶ月は通っておりました。ですが、父親が学校へ突撃したため、通っておりません。その後、というか私と一緒に喫茶オリオンにて、バイトをしております」
大変だった〜。一息で言うの。
「マジか」
「本人に聞けば?」
「拒否られたのよ、陽奈に」
「あら」
可哀想に、そんな目で見た。
そうすると、葉月は目をそらす。
「ただ、元父が来た場合、見た場合、パニックと言う名の過呼吸を起こします。お気をつけを」
ふむふむとメモをとる2人。
あら、真面目ね。まるで興味ない。
「あと、あの子不眠症なんです。というか、悪夢にうなされて起きることがI日に何回もあるのです」
「そうなのか?気づかなかかった」
「強めの薬で気絶しているように強制的に眠らせておりますから」
本当の事である。
喫茶オリオンで見たことあるけど量がヤバかった。
「あれは眠ってるわけじゃないのか」
「ほぼ気絶と同じ扱いで良いでしょう」
何かぶつぶつ言っているが気にしないわ。
「貴方がこの事を言うのか、私には分かりませんが、あの男の事は、私からは話せません」
あの男ー陽奈の実の父であり、母の目を盗んで虐待していた人。
「あの男?」
「お母様にでも伺えば?」
私からは、話す事が出来ないから。
「聞いてみます、先生。先生は転校の手続きをお願いしたいのですが」
「承ろう」
「失礼します」
私は立ち上がる。
「こちらを、どうぞ」
そう言って先生に渡すのは疲労回復のある茶葉をブレンドして缶に入れた物。
「本人が作ったものです。作り方などは缶に書いてありますので」
そう言って、防音室を出た。
少し重たい話になってしまいました。
陽奈にも色々あったということで。
よければブックマークなどよろしくお願いします!