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義理の兄と妹。  作者: 紫鶴
お母さんの再婚一年目の夏休み。
2/28

兄と妹。

よければブックマークなどよろしくお願いします!



 歌月陽奈、15歳。お母さんが再婚しました。

 苗字が変わって葉月陽奈になります。


「広い」

 いつ何回見ても、広い。

 だってこの家、いっぱい部屋があるの。

「好きな部屋使えだってさ」

「え、あの、選べない」

 主な部屋は(リビングとか。)一階にあって、各々の部屋は2階にあるらしい。

 一つの部屋がとっても広いの。

「そんなに迷うなら、この部屋は?」

「どこ?」

 お兄ちゃんの部屋を入って、お兄ちゃんが梯子を出す。

 どうやら屋根裏にあるらしい。

「入口は狭いけど」

 中はとっても広い。

「わぁ〜」

 どうしよ。迷う。

 散々迷った挙句、この部屋にした。

「お、お兄ちゃん」

 くいくいっとお兄ちゃんの服のすそを引っ張る。

「何だ?」

「こ、この部屋がいいです」

「いいよ」

 決まったら、持ってきた荷物を運び込む。

 流石にベッドは明日運ばれてくる。明日の分のワンピースを出して、お母さんたちが帰ってきた。

「お母さん、お父さん、お帰りなさい!」

 ぎゅっと抱きしめて、ほっぺにキス。

「俺にはないのか?」

「・・・・・・はぁ、仕方ないなぁ」」

 仕方ない。同じことをした。

「ふふ、ありがとう」

「ただいま、はるちゃん」

「ただいま、奏音、陽奈ちゃん」

 ついでに買い出しもしたみたいで、二人とも両手に袋を持っている。

「持つ」

「俺も」

 私が袋一つ、お兄ちゃんが袋を三つ持った。

 お母さんたちに手を洗ってもらっている間に台所に運ぶ。

 今日はお母さんが作るみたい。

「あら、ありがとう」

「お母さん、今日の、お夕飯なんです?」

「ふふ、たこ焼きよ。たこ焼き器があったはずだから」

「! たこ焼き!」

 たこ焼きだーい好き。多分今の顔はすっごく笑顔だと思う。

「たこ焼き好きなのか?」

「うん。大好き。作るのも好き。だけど、人みしり。話すの、苦手」

 だから、こんなにカタコト。

 本当は、沢山話したくて。でも、できなくて。

「転校、したい」

「今の学校から?」

「それ以外どこがあるの?」

「うーん。父さんたちに相談してみよう」

「やったー!」

 子供か。

 でも、行きたくない理由がある。

「何かあるのか?」

「・・・・・・・・・・・言いたくない」

「なら、聞かん。ただし、どうしても、その事情が必要になったら、その時は、聞かせてもらうよ」

「そうしてくれると嬉しい。でも、私以外に聞いてほしい」

「わかった」

 深掘りしないでくれた。思い出したくない、そんな前のお父さんだったし、今の学校でも、前のお父さんからの扱いと変わらない。



 その後、お夕飯を食べている間にあっさりOKが出て、少々びっくりしたのであった。



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