ナコの街
■『ナコの街』N1948HO
非常に思い入れのある作品である。なんだかんだ私はなろうに6年ほどいるのだが、本格的に活動し始めたのはこの『ナコの街』を初投稿した今年の3月31日からである。
また、この作品のおかげで私のファンだと言ってくれる人にも出会うことが出来た。本当にありがたいことだ。
さて、感想に入る前に私がどんな風に『ナコの街』を思いついたのかを説明していこう。
私はとにかく好き勝手書ける場所が欲しかった。そう考えた時、超変な人が登場する超変な街ならなんでも出来るのだと気がついた。
そして、たまたまその時女主人公のものを書きたかったので、超変な子→長辺奈子としたのだ。奈子は勝手に動いてくれるので、私が何もしなくても話が進んでいく。楽でいいなぁ。
☆あらすじ
テンション高いなぁ〜、というのが最初の感想だった。けっこうな長さのあらすじなのに、句点が一切使われていない。つまりギャルということだ。
また、このあらすじはあらすじの意味がないほどナコが暴れている。半分以上の人がこのあらすじを読んだだけで逃げていくことだろう。しかし、私はそれが狙いだった。このあらすじが無理なら本編はもっと無理だからだ。
☆露出狂こわかった!
記念すべきナコの街シリーズの第1話である。「ちんちん、しまいまーす!」という男の言葉から始まる物語だ。ちんちんを出す露出狂は山ほどいるが、仕舞ったことで容疑がかかるパターンは見たことがない。我ながら素晴らしい発想だと思う。
駅員の「そういえば、出す時はちんちん、出しまーす! って言ったの? それともこんにちは! 社会の窓からこんにちは! とか言ったの? 朝でも夜でもこんにちは! ってか? ふふっ」
という質問に対し「出す時は突然です」と答える露出狂。「ちんちん、しまいまーす!」とテンション高めで言っていたので、陽気な奴なのかと思いきや、しっかり犯罪者だったのがこわかった。ちなみに、これは作者の実話である。駅員がしている質問は私が露出狂にしたものだ。
☆お知り合い
度を超えたカオスを初めて発表した第2話。こういう話を書いているからこの作品は感想をもらえなかったんだな、と思った。しかし、レビューはいただいている。面白い現象だ。
ここでナコの小学生時代のあだ名がラオウだったことが判明する。つまり、めちゃくちゃに強いのだ。その腕力で仲の良いお姉さんのおケツを吹っ飛ばすところからこの話は始まる。
その後借金取りならぬ尻取りが押しかけて来るのだが、この尻取りがわりとノリが良くて、ナコ達と桃太郎ごっこをすることになる。
感想としては、「よくこんなの書けたな」としか言いようがない。
☆あたしら仲良し5人組!
「あさひ」や「ゆっこ」といった友達に続いて、当たり前のように登場する「麤珠美」、そして「サンバサンバブンバボンバ」
とりあえず最初の方は普通の名前にしておいて、徐々に変な名前にしていこう、と思っていたら3人目で思いついたのが麤珠美。4人目はこれ以上の名前を考えなければならない。んー、よし、サンバサンバブンバボンバにしよう! と一瞬でこの名前を思いついたのだ。
どれだけ考えても出てこない時は出てこないし、調子がいい時はすぐに思いつく。その時はとても調子がよかったのだろう。
この話にも細かいギャグが散りばめられているのだが、サンバサンバブンバボンバのインパクトのせいで全てが吹き飛んでしまった。これは誤算だった。書きながら1番笑った回だと思う。
☆家族インタビュー
最近のエッセイでも書いたが、私の中には王様やギタリストが住んでいるのだが、このインタビューは彼らの答えを参考にして書いたものである。
お父さんは服の代わりにうんちを着て生活している少し変わった人だ。当時は斬新なアイデアだと言われたが、今の私の作品を読んでくださっている方なら「この人(猫)らしいな」と思うだろう。私も思う。
私がこの話の中で1番気に入っている部分が、「うんちを着てるなんて、うんちが大好きなんですね」というナコの言葉に対し
「別に好きじゃないけど。ネクタイだってみんな着けてるけど好きなやつなんて居ないだろ。むしろ全員嫌いなんじゃないか?」
とお父さんが言う場面だ。頭をバールのようなもので叩かれた思いだった。このお父さんの言葉に感銘を受けたのだ。
ダイオウグソクムシを枕にするお母さんも好きだ。裏側を頭にあてがうことで、ぴったりフィットするようになっているのだ。やはりお母さんは生活の知恵がすごい。
この回ではナコは自分のインタビューもするのだが、「最近あった悲しいこと」という質問に対して言った
「下着泥棒がやっぱ要らないって返しに来たこと! 死ね!」
が気に入っている。2話を読んでナコは優しい子だと思い込んでいたので、「死ね!」とストレートに言ったのは意外だったのだ。
☆ナコの1日を紹介するよ!
冒頭でナコとサンバサンバブンバボンバが学校に向かって歩いているシーンの、
「あ、サンバサンバブンバボンバ! キレイな玉子焼きがジョギングしてる!」
「玉子焼きに生きる権利はない! おりゃーぁ!」
サンバサンバブンバボンバは玉子焼きを蹴飛ばしてしまった。
「なんでそんなことするのよ!」
私は問いただした。
「玉子焼きが生きてちゃあかんでしょ。ましてや走ってるなんてもってのほかだよ」
「せやな、まさしく正論やな」
というやり取りがすごく好きなのだが、これは作者の実体験である。友達とこういう事が本当にあったのだ。確かに、玉子焼きが生きてちゃあかんわ! と思った。
松田先生、イルカで4階まで上るのずるいよなぁ。みんな階段で上ってるのに。しかもこの人、出勤して職員室にも寄らず直接イルカに乗って教室に行くのだ。とんでもねぇやつだ。
三村くんも個性的なキャラではあるが、個人的に大嫌いなので紹介も感想もなしで。
後半はナコが部長を務める『ネチネチ部』の活動の話。CDにネチネチと優等生の愚痴や僻みを吹き込み、それを学校内で売るのだ。なんと素晴らしい部活だろうか。この帰り道、ナコは人を1人殺しているが、気にしていないと見逃してしまうくらいあっさり殺している。
☆立ち入り禁止
正直大嫌いな話。それどころか、書いた記憶もない。雲知 那芽流とか、投流とか人としてありえないネーミングをしているのだ。私はこんなことを書いた記憶はない。
傍から見ると「お前いつもうんこ書いてるやん」と思われがちだが、違うのだ。普段はなるべく面白くなるように考えているのだが、この話は汚いだけで面白くないのだ。
唯一面白かったのが「敷地全部うんこ」という部分である。うん、これは面白かった。
☆うずまきロボが壊れちゃった!
こいつのせいでナコの街が完結してしまった。最初はただの臭いロボ、という印象だったが徐々に臭さが増していき、最終的に宇宙が耐えられなくなって収縮してしまうのだ。
その結果全人類、いや、全宇宙が消滅し、何もなくなってしまった。これは本当に悲しかった。せっかく好き勝手書ける場所を作ったのに、たった7話で強制終了させられたんだから。
でもその後すぐにみんな復活して『ナコの街2』を連載開始しました。