四、子供の声
子供の声で起こされた主人公だが、自分には子供がいないことに目が覚めてから気付く。不思議に思いつつトイレに向かうと、そこに夫もやってきた。不思議に思っていると大きな地震が起きた。
二人で寝室に戻ってみると、ベッドにタンスが倒れ掛かっているではないか。あのまま眠っていたら……と背筋が凍るのを感じた主人公は、その日が流産してしまった子供の生まれてくるはずだった日だと気が付いた。……というお話。
いわゆるほっこり系ですね。
生まれてくることができなかった子供が、助けてくれたのかな? という雰囲気のお話になりました。
怖い話が多いこの短編集の中では息抜きができるお話になるのかなぁと思います。
この話で登場する子供の霊は生まれてくる前の赤ん坊の姿ではなく、生まれていたらこのくらいの年なんだろうな、というくらいの年頃の姿で現れています。
ここで問題になるのが幽霊は年を取るのか、という点です。
いろいろな怪談を読んでいると、死んだ時から変化しない姿で現れる者の方が多いように思います。
ところが、話によっては腐乱した姿で「きちんと葬ってくれ」と訴えるために出てきたりするものもいるんですよね。
この場合は死んだ時の姿ではなく現在の姿なわけです。
もっと面白かったのは、女の色情霊 (意味がわからない方は自己責任で調べてみてください。説明してしまうとセンシティブ判定されてしまいそうなので)に襲われた男性の体験です。
彼が襲われてから半年ほど経った時のこと。
あの時の幽霊が現れたのですが、そのお腹はふっくらと膨らんでいたというのです。
これって幽霊にも成長 (?)があるっていうことですよね。
ということは、この話で登場した子供の霊は主人公たちと同じように時を重ね、成長していくのでしょうか。
そして、年老いた幽霊はどうなってしまうのでしょう。
寿命で死んでいくのでしょうか?
……と、本編より怖い内容になってしまったので今回はここまでで(笑)




