八、りっちゃん
子供の頃に出会い、ひと夏だけの友情を育んだ「りっちゃん」との思い出を語る主人公のお話。
青春物語であるひと夏の間だけおばあちゃんの家に預けられて出会ったあの子と時を越えて……――、的なお話をイメージして書き始めた物語です。
あまりなじみのない土地で友達を作るのってハードルが高いですよね。
今回の主人公はそんな状況で寂しそうにしている女の子を仲間の輪に入れてあげる側の子供でした。
それだけではホラー味が足りないので、遊んだ記憶はあるのに名前が思い出せない、ある程度時間が経ってからその子の家として教えてもらった場所へ行ってみたら「そんな子供はうちにはいない」と家主に言われる。しかもその家主は自分が生まれるよりも前から底の場所に住んでいるという……。
みたいな稀によくある不思議な友達の話……かと思わせてその子は主人公にしか見えていなかったというオチの話としてのアレンジも。
りっちゃんはただ友達が欲しい子で悪意のない存在として主人公の目に映っていますが、彼女の姿が見えなくてただ話だけを聞かされている他の友達からすれば不気味な存在だったことでしょう。
しかも彼女の正体は謎のままで、主人公の口からは同窓会で良き思い出として語られるわけですからね。
郷愁と怪奇の入り混ざるこのお話、個人的には気に入ってるんですが、読者の皆様的にはどうでしょう?




