四、ペット
保護した猫を飼い始めたと友人から報告を受けた主人公が猫を見るために友人の家に遊びに行くと、連れられて現れたのは半分腐りかけた猫の死骸だった――というお話。
保護した直後に動物病院に連れて行くと話していたのでその時はまだ辛うじて生きていたのでしょう。
ところが、猫の死を受け入れられなかったのか友人は猫の死骸をペットとして可愛がっています。
友人は猫が死んでいることにも気付かなかったのか、気付いていて、それでもまだ元気だと思い込むことで精神の安定を図ったのか。
もしかすると猫の怨念のようなものに操られていたのかもしれません。
書いていて思ったのは、猫に悪意はないんだろうなぁということ。
きっと友人のことを気に入っていて、もっと一緒にいたかったからそれを邪魔しそうだった主人公を威嚇したのでしょう。
検索してはいけない言葉か何かで猫を虐待して弱らせていく様子を逆から順に載せて、ケガをした猫を保護してます! ちょっとずつ回復してきました! という風に紹介していくサイトの話を見たことがあります。
この短編を書いている時にも頭をよぎっていましたし、同じような想像をした人がミスリードされてくれないかなーと思ったりもしました。
話の中ではひどい目に遭ってしまった猫ちゃんですが、現実にいる猫ちゃんたちにはどうか平和で幸せに過ごしてほしいなと願わずにはいられません。




