二十五、稲荷
消えてしまった友人と、同じタイミングで取り壊された稲荷神社のお話。
ちょっと不思議でちょっと切ないお話ですね。
でも、過疎化が進んで神社の手入れをする人がいなくなったり、老朽化で取り壊されたりと理由は違えど消えていく神社仏閣は少なからずあるんだろうな、とも思います。
この話を書いた後に似た話をもう一つ書いています。
廃れて取り壊されることが決まった神社にいた神様が姿を変えた男の子と、祖父母の家に遊びに来た女の子の出会いと別れを描いた短編。
「見えない、聞こえない」というタイトルで小説家になろう限定で公開中です。
この短編、実際に存在している神社の写真を使っているんですが、一度行ったのにどこにあるのかわからなくなってしまいました。
私の祖父母宅があるドが付くくらい田舎の、主要道路にある脇道を入ったところなのは確かなんですが……。
いつも入り口が見つけられないんですよね。
地元民である母親の案内があって初めて知った場所でもありました。
そんな祖父母宅の一番近くにある神社(と言ってもただの小屋みたいな見た目)は祖父母宅を含め三軒くらいの家で守っているという小さな神社でした。
鳥居もなくて、小屋の横に馬頭観音の石碑(?)だけがぽつんとあるほとんど自然と同化した場所。
数年前に祖父が他界したのを機に祖母も施設へ入り、家は無人になりました。
今では二軒であの神社を守っていくのかな、と思うとなんだか寂しい気持ちになりますね。
いずれあそこも廃れてなくなってしまうのでしょう。
廃れてしまった神社の神様はどうなるのか。
最後に、「見えない、聞こえない」の冒頭の文章を引用して終わりましょう。
柳田国男いわく、「妖怪は神の零落したもの」であるらしい。
「見えない、聞こえない」https://ncode.syosetu.com/n4026de/




