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#92 デザート

やほー!少し落ち着いたので投稿出来ました。

皆さんの応援のおかげです。


雨降ってる……雨の日はなんだか頭が重い筆者です……。

「これはどうするの?」

ユリアが茹でられ赤くなるタコを興味深げに見ながらセリウスに聞いた。


「それは茹でてから、ぶつ切りにするんだ」

セリウスが魚の鱗を剥ぎながら応えた。


「これは、千切(ちぎ)るだけ?」

ルルカが葉もの野菜を千切りながら問うた。


「うん、あとトマトの葉も取ってくれる?」


「わかったわ」


セリウスを中心に女性陣が夕飯の支度を手伝っている。

メインディッシュはセリウスが作るといっても、それだけではやはり物足りない。

なのでサラダとスープも追加しようと、ユリアとルルカが作ってくれることになった。

もちろん料理などしたこともない二人なので、セリウスに聞きながらの作業だった。



「──冷蔵庫に出来てるのがあるのにな……」

ぼそりとゲイルが呟いた。


「ダメだよ、そんな事言っちゃ……」

そう、冷蔵庫には食材だけでなく、きちんと出来上がった料理がいく種類もストックされていた。

組み合わせれば飽きずに食べられるだろう。


だが、そんな事は承知の上で3人は作っているのだ。

ならば黙っていただくのが礼儀ってもんだ!


「私たちは参加するなと言われたが……見てるだけなのも気が引けるな」

ライオネルがキッチンから聞こえる楽しそうな声に耳を傾けながら言った。


分かる。なんかソワソワする。だいたい女の子に料理作ってもらうとか初体験だ。


「じゃあ……ボクらでデザートでも作る?」

うん、動いてる方が落ち着くだろう。


「それは面白そうだが、エリック、君も何か作れるのか?」


「いや、キッチンには入れてもらえないぞ。どうするつもりだ?」

ゲイルが胡乱気にエリックを見た。


「……この島って果物が生えてない?」

こういう南国ではたいてい椰子の実とかあるのが定番だ。


「確か近くにブルーベリーの木がある。スイカも植えてあったはずだが……」


違った。

でもブルーベリーって万能じゃないか?生でもいけるはず。それにスイカって夏の定番だ。


「じゃあ、それでフルーツ盛り合わせが出来るよ」

うん、切って盛るだけなんて正に男の料理?だ。料理って言えるか知らんけど。


「なるほど。確かに盛るだけなら我々にも出来る。ゲイル、案内してくれ」


セリウス達に告げ、カゴを持ち、早速3人でフルーツ狩りに出かける事にした。



ブルーベリーの木はログハウスから5分の所にあった。

10本程の木があったが、どうやら動物に食べられたのか、半分ほどの木には何も実っていなかったが、何とかカゴに半分ほど摘む事ができた。

次はスイカを探す事にした。


ブルーベリーの木から更に奥に3分ほど行った所に植えられていたらしい。


「確かこの辺のはずなんだが」

ゲイルがそう言い、少し開けた草原を見渡すが、ただの雑草にしか見えない。


とりあえず皆で探すことにしたが、それらしいモノは見当たらなかった。


「まぁ、スイカを植えたのはずいぶん前だからな……消えたか……いや……静かに!」

ゲイルがじっと雑草に目をこらしながら、小さな声で口に人差し指を当てそう言った。


ガサガサ、パコッ……ガサゴソ……


変な音が聞こえた。


「……動物かな?」

こそっと側にいたライオネルに耳打ちした。


「……おそらく。この島に危険生物はいないと聞いているが……」


「大型のヤツはいないはずだが、蛇はいる。毒蛇じゃないが……いや、この感じは蛇っぽくないな。向こうから聞こえる。行くぞ」


静かにあまり音を立てないように件の場所へと近づいた。


カサカサゴソゴソ、バコッ……


「……動いてる……?」

「ああ……」

「…………そう、見えるな……」


そこには緑と黒の縞模様のスイカが2つモゾモゾと動いていた!


「……スイカ……だよね……?」

一見、どう見てもスイカだ。


「いや、スイカは動かんだろう。だが、あれは、スイカだな……」



ガサゴソ、バコッ、パコッ!

そのスイカっぽいモノがゆっくりこちらを向いた。


それは──


「「「亀!」」」


なんとそれはスイカを食べている亀だった!

スイカ模様の亀。きっとカワイイよね!

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