#9ライバル出現
シャララーン!二人目登場。
連れていかれたのは体育館みたいなところだった。ずらっと列が出来ていて、ざっと見渡したところ、300名いかないくらいかなという感じだった。
クラス分けでもしているのか、一人一人にバッジみたいなものを渡している。
『新入生の皆さんは列に並び、在校生の指示に従ってください』
との放送が流れ、俺は言われるがままに列に並び、順番のくるのを待つことにした。
ふーん、モブじゃなさそうな人もいるな……。
あの子なんか、メインではないだろうけど、なかなか可愛い。
……まぁ、やっぱりこのセレブリティ学園が舞台なんだろうな。それなりだわ。
そういや、あの声はユリアちゃんと婚約すれば元の世界に戻れるみたいなこと言ってたけど、他の子と婚約したらどうなるんだろう?
……俺ってば絶対モテるよな?別に他の子といい感じになってもいいんじゃない?てか、一人じゃなくても良くない?複数人と……げへげへ!ハーレムじゃん!
ぼんやり人の群れを眺めながら、自分が可愛い子たちに囲まれているのを想像していると、
「君、エリック・レッドクローバーだろ?こんなところで何をしているんだ?」
と、涼やかな声とともに、ぽんっと肩を叩かれた。
「え?」
振り向いたその先には……
「くぅっ!」
キラキラキラーー!!と日の光を受け、目映いばかりに輝く金髪の美男子が立っていた!
これ、モブじゃない!
うっ……うわっ!ま、眩しい!!
なんだコレ!!発光物かよ!まともに見れないんだけど!?
目が!目がぁ~~~~~!!
って!俺はムス○かいっっ!
「──くっ……」
心でノリ突っ込みをしたくなるほど眩しく感じる美貌を湛えたこの男は……?
頭の中にどどーっと設定が流れ込んだ!
そうだ、この男は、この国の第二王子、ライオネル・ゴールデンハート、その人だった!
そうか!こいつが攻略対象の一人ライオネルか。納得の輝きだ。
「そこはAクラス以降の者たちが並ぶんだ。君はこっちだろう?」
そう言ってニコッと笑った。
ま、眩しい!
目が!目が~~~って、もうええわ!チャンチャン!
──いや、今度は歯がさぁ、芸能人並みに真っ白なわけ。輝き過ぎでしょ。ピッカーンって。隣のお着きの人?との差よ……なんなん、この人……やっぱ発光してないか?いや、そもそも人間?精霊とかじゃないの?
『私はライオネル・ゴールデンハート。ここファンシー王国の第二王子だ。優れた容姿に太陽のような明るい金の髪と瞳はこの国の王族の証だ。セレブリティ学園に首席で合格したのも評価されて、王位継承も囁かれている。私は王子として当然のことをしたまでなのだが。困ったことがあれば私を頼るがいい!』
出たよ。この変な人物紹介!
やっぱりな、当然攻略対象だよな。いや、わかってたけど。
俺は深呼吸をして自分を落ち着かせ、ゆっくり顔をあげ、ライオネルを見た。
乙女ゲーって、想像の産物だし。
悟ルン、ガンバ!