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#69 課題研究

残りの2週間どう過ごす?


早く終わらせて、遊ぶ時間を増やしたいよね!


変な夢を見た。

ふわふわ飛んでたら、でっかい虫がきて、追いかけられるのだ。

……俺は何かに焦ってんのかね?


そんなことを考えながら下に降りていった。



「皆、この2週間ずいぶん休みを満喫したことと思う」

朝食が終わるとライオネルが皆の注目を集め、話だした。


「私も有意義な休暇だった。だが、そろそろ学生の本分を思いだそう。休みはちょうどあと半分、皆の課題研究を終わらせないか?」


「──昨日もそんな事を言ってたけど……お前、そろそろ帰らなきゃならないんじゃないのか?王室の手伝いがあるとか言ってたろ?」

ゲイルがコーヒーを飲みながらそう言った。


「ああ、それなんだが。連絡があって休みの間はこちらにいていいと言われた。私はこのまま滞在を続けたいと思っている。皆はどうする?当初予定の2週間は過ぎたが……」


「ライオネルが残るなら、僕も残るよ」

「私も残るわ」

「ええ、残りたい!」

「ボクも残る」


「結局全員残るんじゃないか。まぁうちは構わない。今夏はこの別荘もビーチも、俺が好きに使っていい許可をもらってる」


「よし、じゃあやはり先に課題を終わらせてしまおう。皆、テーマは決まってるか?」

ライオネルが仕切り直しとばかりに、会長モードで聞いた。


「私は『気温と流行する物の関係性について』に、しようと思ってるの」

ユリアが率先して言った。


「僕は『環境による生き物の生態変化』だよ」


「私のテーマは『性差社会の役割とその必要性』よ」


「俺は『法律と社会正義』だ」


「私は『王国制による政治の課題』だが……」


皆が淀み無くそう告げた!

ちょっとぉーーーー!()めてくれる!?

何なんだよ!皆なんでそんなこ難しい事を!?高1の夏休みにやる事じゃ無くね?

あ、ユリアのはなんだか緩い感じだけど。


「……ボクは……まだ……思い付かなくて……」

ぐぁぁああああ、油断してた!

この人達、こういうタイプなんだよな!


そうだよ……何でもない顔してさらっと難しい事をこなすんだよ。皆、格好いいんだった……。


「……昨日渡した本は見てみたか?」

ライオネルが聞いてきた。


「パラパラっとめくったんだけど、ピンとくるのが無くて……」


「エリックは気になることって無いの?」

ユリアに聞かれた。


「気になる?」


「そう。どうしてだろう?とか……こうなんじゃない?って思う事が……何か無い?」


言われて考えてみた。


……そういや、この世界に来た時、色がやたら影響してる気がしたんだよな。俺は“レッド”クローバーで名物がルビーって……ライオネルも“ゴールデン”って、まさしく黄金の髪と瞳だしな。それが王族の証って言ってたし……。


……メインキャラだけかもしれないけど、運営が意図的に関連づけてるよな。



「…………気になる、と言えば一つ」


「「それは?」」

ライオネルとユリアの声が重なった。


「色が与える印象が、その人を形作ってる気がする。ボクは“レッド”、ユリアは“ピンク”、ライオネルは“ゴールド”、セリウスは“ブルー”、ルルカは“イエロー”、そしてゲイルは“ブラック”……何か象徴的だなって……」


「なるほど」「面白そう」「いいんじゃない?」等と、口々に受け入れてくれた。


ちょっとズルいかもしれないけど、他に思い付かんし。テーマ決めに長引くと皆の迷惑になる……良しとしよう!


「エリックも決まりだな。では、それぞれ資料を集めたり、市場調査も必要か……文献を調べたりもしないと……図書館に行くか?……時間がかかりそうだが……」

ライオネルが顎に手を当て考えていると、


「なら目的別に分かれればいいんじゃないか?調査組、資料集め組、図書館組、という風に」

と、ゲイルが提案した。


「あ、じゃあ僕は市場調査組!」

セリウスが手をあげた。


「私は図書館で調べ物がいい」

ライオネルも手をあげた。


「私も市場がいいわ」

意外だが、ルルカが市場調査に立候補した。


「別にどれでもいい」

ゲイルがそう言ったらすぐ、


「じゃあ、一緒に資料集めにしましょう」

ユリアがゲイルの肩をポンと叩いた。


「……ボクは図書館かな」

別に俺もどこでもいいし……必然的にそうなるだろ。



「決まりだな。ではそれぞれどこで何が必要かどんな情報が欲しいのかリストアップして、各組に渡そう。エリック、こっちへ」


どんなコンセプトで何が必要な資料なのかを纏め、それぞれの組に渡した。


俺はライオネルと共に図書館へ向かった。

それぞれが二人きり……。

何かかが起きない訳がない。

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