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67/155

#67 弟分

乙女ゲーから何か違うゲームが始まったよ。


*設定を一部修正しました。ストーリーには影響ありません

辺りはすっかり暗くなり、そろそろ夕飯の時間になった。

別荘に戻るかどうするか、相談していると、


「良ければうちが経営しているレストランに来てみませんか?ご招待させて下さい!すっかりお世話になっちゃって……」

ケビンが目を輝かせながら、セリウスに向かって言った。


「うーん、そうだね……ゲイル、食べて帰っても問題ない?」


「ああ、今日はどうなるかわからないと言ってある」


「じゃあ、ぜひぜひ!コイツんちの店、旨いっす!兄貴たちにぜひ食べてもらいたいっす!」

ニックが興奮したようにふんふん鼻をならしながら言った。


兄貴たち、って誰やねん!!

そう、突っ込みを入れたいのは俺だけだろうか?

そう、この観光の間にこの二人は、すっかりセリウスに手懐けられたのだった!


はじめはちゃんと観光案内をしていたのだが、セリウスと話している内に、いつの間にか女性関係の話になった。

女の子にはあまり聞かせられないような、きわどい話もしていたようで、二人はどんどんセリウスに心酔していったのだ。


そしてそのまま俺たちに人生相談をしてきた。

二人の素行の悪さのせいもあり、加えて嫉妬の交じった悪い噂のせいもあるのだろう、あまりお互い以外の男友達はいないようだった。


俺はただ聞いていただけだが、なかなか苦労していたようだ。

だったらナンパなんか止めればいいのにって思うのだが、もう習性のようなものらしく、それはそれ、これはこれらしい。


そんな相談を受けているうちに、いつの間にか俺たちは“兄貴”と呼ばれるようになっていた…。俺、何も言ってない……しかも俺たち年下なんだけど、いいのだろうか。


「ユリアさんとルルカさんも、よろしいですか?」


そして、ユリアとルルカに対して、二人には完全なる敬語になっていた。


もうね、しょうがないよね。このメンツだもんな。

同じ空間にいられるだけで光栄です、みたいな事を言ってる。その通りなんだろう。


「皆さんがいいのなら、私達はかまわないわ。ね?ユリア」

「ええ、楽しみね!」

ぱあっと嬉しそうに笑った。


ユリアは観光中とても静かだった。

話しかけても相づちを打つだけで、話は途切れてしまった。

……なんか気分でも悪いのか?って思ったが、ルルカとは普通に話していたので、俺が何かしたのだろうかと気にしていたんだけど……なんだ、お腹すいてたのか!


「ユリアちゃんって何か食べたい物あるの?」


「やっぱりここの名物かな」

にこっと笑ってそう言った。


……良かった、お腹空いてただけか。食いしん坊ユリアなんだ。かわいいな。


「名物って何なんだろ?」


「はい、やっぱり新鮮な魚介を使った料理なんですけど……最近は麺類もおすすめですよ!」

ケビンがここぞとばかりにアピールしてきた。


「ふーん」

ラーメンかな?俺もちょっと食べてみたい。


「では皆さま、参りましょう」

ケビンとニックが先頭に立ち、コスミのレストランへと向かった。



そこはハワイアンな感じの海に面したおしゃれなレストランだった。

かなり賑わっていて、俺たちが入れるのか心配になるくらいだった。


だが、ケビンはコスミコーポレーションの御曹司だ、あっさりVIP席に通されたのだ。


VIP席と言うだけあって、広々とした一際美しい景色が見れる、落ち着いたいい席だった。


何を頼むかは自分に任せて欲しいというので、メニューはニックにお任せになった。


運ばれてきた料理はどれも美味しかった。

さすがナンパ王のニック、チョイスのセンスが光ってるぜ!


ぎくしゃくしていたユリアとルルカとも和解したようだった。


意図しなかったが、リースの町に思わぬ新たな友達?が出来たのだった。

ユリアが主役の乙女ゲーなはずだったけど……。

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