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#33 勉強会

リア充イベント発生。


エリックん……大丈夫?

一学期もそろそろ終わろうとしている。


ミルクはすくすく大きくなり、学園でも一年学年会メンバーとして有名になった。

今や自由に学園を歩き回るようになっていた。


夏の日差しが眩しく感じるようになってきたのだが、涼しい所を見つけたのか、昼間は姿を消すようになった。ほんとネコって気ままだよな。


そんなある日。


「そろそろ勉強会を開こうと思うんだが」

と、ライオネルが言い出した。


「勉強会?」


「ああ、もうすぐ学期末テストだろう?学年会メンバーが下位では示しがつかない。我々は上位陣にいなければな」


「んん~そうでした。皆さんは大丈夫なんでしょうけど、問題は私ね……」

ルルカが、しおしおと小さくなった。


「ルルカは魔法学以外はちゃんと出来てると思うんだよね。他の科目は全て20位以内に入ってるだろ?何処が難しいんだい?」

セリウスが聞いた。


「う~ん、そうね……こう、想像が出来ないのよ。先生のおっしゃることが……」

困った顔で小首を傾げた。


「ふむ、じゃあやはり勉強会だな。皆の得意分野を教え合う事にしないか?どうだろう、参加してくれるか?」


「それは助かります」

「ええ、もちろん参加するわ」

「いいよ。ボクに出来る事なら」

「ルルカを学年会に推薦したのは僕だからね。もちろん参加するよ」


「うむ、ルルカ、ユリア、エリック、セリウスは参加だな。ゲイル、君はどうする?」


「……俺は遠慮しとく。特に得意な分野がある訳じゃないしな。お前らでやってくれ」


「そうか……無理強いするつもりはないが……最近君もつまらなそうだ。気分転換に参加しないか?」


「…………いや、やめておく」

カタンッと席を立ち、バックを担いだ。


「…………ゲイル。何かあったなら、相談してくれ。私で出来ることなら……」


「ふっ……お節介ライオネル、別に何も無い。今からやるんだろう?ま、頑張ってくれ。じゃあな」

ヒラと手を振って部屋から出ていった。



なんとなく気まずい雰囲気が流れた。


あ~~必ずいるんだよな~!ああいう場の空気を乱すヤツ!まぁ俺としてはアイツがいない方がユリアちゃんとの距離が詰められるから歓迎なんだけど。


「ねぇエリック、ゲイルに何かあったのか知らない?」

と、ユリアに声をかけられた。


「え?ボクが……?いや、分からないな」

そう、ここ最近なるべく避けていた。アイツと絡むとろくなことが無いからだ。


「エリックはゲイルと仲が良いでしょう?それとなく聞いたり出来ない?この間、星見の会でも様子が変で……聞いてみたんだけど、私には話してくれなかったんだ……」

寂しそうに少しうつ向いてそう言った。


なんで仲が良いって……それより“星見の会”だと!?何ソレ?

いつの間にそんな仲になってたんだ!?


……これは……まずいんじゃないか?俺はのほほんと過ごしてたけど、ゲイルの方でイベント発生してたのかよ!?ヤバイヤバイヤバイ!


そうか……他の攻略対象と距離を置きすぎると動向が分からなくなるのか……。ライオネルばかり気にしてたからな……。


…………くっ…………背に腹は変えられん!


「ユリアちゃんは優しいね。分かった、話してみるよ」


「……そうだな。ゲイルはエリックには気を許してるところがあるから。エリック、私からも頼む。アイツはあまり本音を話さないんだ」


しょうがないなぁ~~~!ライオネルにまで頼まれては、断れないよな~~!


「話してくれるかは分からないけど、やってみる」


「ああ、出来ればこの勉強会は全員揃ってやりたい。頼んだぞ、エリック」


「ん、任せて」

トンっと胸を叩いた。

安請け合い……

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