#3あんた誰だよ!?
暗いの怖い……。
人間は本能的に闇を怖れるのです。
太古の昔を思いだし、ビクビクしてしまうのです。
別に俺が小心者とかじゃないから!これが普通だから!(悟)
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「転生したら転性してしまった!?いやいや中性でいいじゃん!~」もよろしく!読んでくれると嬉しい……(筆者)
『クソゲーとは何ですか』
突然、暗闇の中、何処からともなく女性の声がした。
「んひゃっ!誰ぇっ!?」
思わずビクゥッってなって、乙女みたいな声が出た!!
見えもしないのにキョロキョロしてしまった。
……え?何?ドッキリ?
え?まさかモ◯タリング?
綺羅がなんかやりやがったのか!?
『あなたは乙女の夢をバカにしてますね』
だが俺の質問に応えることもなく、女は闇の中にその声を響かせた。
「は?クソゲーをクソゲーって言って何が悪いんだよ?だいたいこの乙女ゲーもしかり、平民出の子にあからさまに意地悪する貴族とか?いきなり人前で「婚約解消する!」っていい放つ王子とか!?あり得ねぇ~~~!!いるわきゃねぇだろ!!アホ過ぎて国が滅びるわ!!」
俺は怯えていることを悟られたくなくて、その声に大声で反論した。
「だいたいさぁ、貴族なんて、小さい時からかなり教育されてるんじゃねぇの?そんな感情むき出しの馬鹿いたら、お家ごとヤバいだろ!まして王族がソレとか。滅亡の未来しか見えねぇよ!それに“偶然”出会ったりとか、“たまたま”現場に出くわしたとか、あるわけねぇご都合主義が多過ぎだろうが!」
誰かわからんけど、こんな暗くして人を怖がらせるやつなんかろくでもないやつに決まってる!ぺぺぺーだ!ふん!
『あら、ふふ……よく分かってるわね。でも、そんなのは乙女ゲームだけではなくってよ?』
闇の中の声は笑いを含んだように言った。
「そりゃそうだ。ゲームなんだから偶然とかあってもいいさ。でもなぁ、乙女ゲーってのは女子最上級、女子えらーい!こんなあたし、かわいい!みたいなのが滲み出て過ぎ!キモい!男から見たら全く全然かわいくないから!!『ほんとは私が聖女でした』だ!?本物やったらしゃんとせぇーや!周り振り回すなや!その時点で本物の聖女ちゃうわ!」
闇からの笑い声って……怖すぎて、思わず変な裏声の関西弁になっちまった。
虚勢をはらなきゃやってられん!足がガクガク震えだしちゃったよ!
『あはははは!あなた、結構乙女ゲーについて知ってるのね?でも、それでは表面だけしか見えてないわ。それだけでは、無いのよ?そうね……では、あなたなら上手に攻略出来るという訳ね?』
「は?あったりまえだろ?あーんな媚媚のバカ女どもに攻略されるような顔だけイケメン共なんぞ、たかが知れてるだろ?余裕ですよ余裕!」
『……そう、では、頑張ってね』
声しか聞こえないはずなのに、今度はニヤリと笑った気がした。
「……は?どゆこと?」
その声は何の返事もよこさずに「じゃあね」との言葉を最後に聞こえなくなった。
「……っざけんなよ……」
呟いたと同時に、ヴォーンという音がした。
そして、真っ暗だった筈の部屋が、突然カァーッと明るくなった!
「うぎゃっ!!」
ま、眩しい!目を開けていられない!
俺は思わずうずくまり、頭を抱えた。
と、突然、足元が抜けたような、ガクン!っと空中に突き落とされたような感覚がした。
「ひょえ──────!!!!!」
死ぬ!なんか分からんけど、どっかの誰かに落とされて、理不尽にも俺は殺されるんだ!
ちくしょーーー!!!短い人生だったぜ!
『うまく攻略になったら元の世界に戻れるわよ~。簡単なクソゲー頑張って~』
どこからかまたあの笑いを含んだ女の声が聞こえた。
「ふぎゃぁ~~~~~~!!!!」
落ちていく感覚と共に、意識が薄れていった。
……あぁ……これ、マジなやつだ…………俺、このまま、ぐしゃってなって死ぬんだ…………
すーっと本格的に意識がなくなり、真っ白な中に落ちていった。
前触れもなく足元が崩れて落とされる……。
めっちゃ怖いと思う。チビると思う。
しばらくサクサク続く予定。
短編ギャグ小説です(予定だけどね!)
※↑無理でした。長編?中編になるでしょう。てへっ