#15入学式
目立って格好いいとこ見せないとね!
ユリアちゃんの視線を釘付け。
入学式は粛々と行われた。
新入生代表の挨拶はもちろん我らがライオネル!
まぁ、そりゃ堂々としたものだ。俺じゃなくて良かったわ。
こういうのはプログラム通りに進んでいくようで、さらーっと流れていった。
それより、俺が気になっているのはSクラスのメンバーだ。
最前列の、教師の真ん前にSクラスは座っている。で、向かって右から、ライオネル、俺、セリウス、ゲイル。
そして!ユリアちゃんが並んで座っているではありませんか!!
なのに、こっちからは見えないんですよね~、これが。
おそらくこれは入試の成績順だ。
ユリアちゃんはつまり5番目だったんだ。
すごくない?もちろん設定上そうなるんだろうけど、英才教育の貴族の中に交じり、庶民派女子で5位ってやっぱりすごい。
乙女ゲーだしとは思うものの、本物としか思えないリアルさで進行されると、その雰囲気に飲み込まれそうになる。
あー!!俺!しっかりせい!
アレは作られたキャラ!
実際はプログラム…………あ…………違うのか…………ユリアちゃんはプレイヤーなのか…………。
ハタと気づいた。
そうだった。ユリアちゃんだけは生身のプレイヤーなのだ。
つまりはユリアちゃんの向こうにリアル女子がいる……。
……うわー嫌だ~~~。きもーい!乙女ゲーやる女子に攻略されるのか~~~。急にやる気が失せたんですけど。
いや、そうしないと帰れないんだよな……やだなぁー……。
「……バー。エリック・レッドクローバー!」
と、名前を呼ばれていることに気づいた。
「はい!?」
「エリック!君が立たないと後が続かないぞ!」
と、立ち上がりこちらを見ているライオネルに小声で叱咤された。
「あ!」
そうか、退室なのだ!いつの間にか入学式は終わっていたらしい。
俺は慌てて勢いよく立ち上がった!
ガチャーン!ゴトゴト!
という椅子が倒れる音とともに「きゃあ!」という女子の悲鳴が後ろから聞こえた!
ザワザワと、会場がどよめいた……。
頭が真っ白になり、思考が停止した…………。
────椅子…………倒しちゃった…………。
俺……やっちまった…………?
「大丈夫?レディ」
すかさずセリウスがその女子の所に行き、さっと跪き、怪我がないか確かめている。
「え……えぇ、大丈夫です。驚いただけですので……」
その俺の真後ろにいた女子が貴族の子女らしく、上品に笑った。
「──も、申し訳ありません!」
慌てて俺も謝った。
ユリアちゃんは!?
もちろん、驚いた顔でこちらを見ていた!
いや、ユリアちゃんだけじゃない。
講堂中の視線が俺に向かっていた。
く~~~っ恥ずいっ!!!
こんなイベント、あったのかよ!!
こんなん、いらねーだろ!?
変な悪目立ち……
ユリアちゃんには覚えられたかな。




