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#145 首都の街

市街地に向かってGO!


セレブリティ学園は少し外れの自然豊かな場所にあります。セキュリティがしっかりしてるんだ!

馬車は中心街に向かい走った。

ニックたちとの待ち合わせ場所までは時間にして20分程らしい。

馬車の走る速さからして、だいたい◯宿から四◯谷辺りまでって感じだな。


「ユリアちゃんはよく街に行くの?」

「たまにね。下街に住んでいた時お世話になった人たちに会いに行くくらいかなぁ。セレブリティでの生活が忙しくって。エリックは?」

「ボクは、入学してから一度も行ったこと無いんだ」


そう、なにせ入学どころかレッドクローバー邸にいた時でさえ行った記憶ないからな!

だって入学式の日からしか記憶ないもん。

たぶんエリックは行ってたんだろうけど、そこら辺の記憶はない。重要じゃないんだろうな。


「そうなんだ。じゃあ本当に久しぶりなんだね」

「ん……元々あまり街には行ってないかな……」

「そっか。じゃあ責任重大だね。楽しめるといいんだけど……」

「……ボクは……ユリアちゃんが連れて行ってくれるなら、それだけで楽しいよ……」

「……エリックってば……」


ユリアが、渡したプレゼントをいじりながら、嬉しそうに微笑んだ。 



『女性の言うことに適当に応えていては後で困ることになるから気をつけて』ライオネルが言った。

『そうだね、だからといって批判したり理屈で責めたりもだめだよ?』セリウスが言った。


流してもだめ、反論もダメって、じゃあどうやって会話すんの?

クソ兄貴と言われ「へーへーそうですかー好きに呼べばぁ?」ってハナクソほじりながら綺羅の話ぶった切ってた俺としては、女子との会話なんてどうすればうまくいくかとか深く考えたこと無い。


『それは共感することだね。女の子は別に解決策を求めてる訳ではないことが多いから』

『……そうなのか?』

『え……ライオネル?』

そこで会話が違う方向にいって、結局3人であーだこーだ男同士でだべって終わった。


だけど、つまりは“共感”を心がけて会話すべし!とのアドバイスはありがたかった。


──とにかく今のところ上手くいってる、と思う。純粋に下街に何があるのか面白そうだしな。あ〜楽しい〜な〜



「これ、ありがとう。どうしてエリックは私が欲しいもの知ってるの?」

またまたエリックからプレゼントをもらってしまった。しかも欲しかったコウモリシリーズ!


──エリックがツボをついてくる〜〜しかも渡してくれた時の照れようが可愛いすぎる〜ほんと、好きぃ〜〜!ゲイルとは違うけど、好きなものは好きだよ〜エリック〜〜!


心の中でエリック推しが大暴れした。


「その……前、凄く喜んでくれたから……いいかなって……耳が大きくて、目が赤くて、ウサギみたいで……なんとなく?」

窓の方を見て、耳を赤くしつつ顎をポリポリかきながらそう言った。


「ふふ、そうなんだ。なんとなく?」

「そう、なんとなく、ね」


そんなほんわかした会話をしつつ、馬車は二人を順調に街まで運んでいったのだった。





「なぁ、そろそろ行こうよ。遅れちゃうぞ」

ケビンが鏡の前で髪を整え最後にもう一度櫛を入れてから言った。


「うん、分かってる。でもちょっと待てって。連絡が……あ、やっときた。よし、行くぞ」

ニックが持っていた通信板をポケットに入れ、勢いよく立ち上がった。


ホテルを出て、時計塔に向かった。

そここらユリアたちとの待ち合わせ場所までは歩いて5分だ。


「今日は久々にユリアさんたち会えるな〜」

「ああ、あのお美しい姿はまさに神!最初に会った時、衝撃だったぜ」

「うん、そこだけ光が差してたよね。エリック兄貴も来るんだよね?」

「ああ。あの人もマジでビビったもんな」

「男の美形はゲイル様で慣れてると思ってたんだけどな〜種類が違う」


初めて会った時の話をしながら歩いていると、時計塔が見えてきた。


「おお……綺麗だな」


離れて見る時計塔は大きくは無いものの、先の尖った屋根の真っ白な塔で、とてもきれいだった。


「そうだね……あ、居た……うーん、やっぱり、すごく目立ってるね……」

「まぁ、アレだもんな……遠くからでもすぐわかるぜ」

「……おう……先に待たせるとか、マジで気ぃ使う」

「しょうがないじゃん、本人の意向なんだから」

「それな。よし、行くぞ!」

「うん」

二人は気合を入れ、時計塔に近づいていった……。

怪しい影、発見!?

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