#113 何の話だよ
どこまでが許されるのか……?
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スイカガメの事はとりあえず一段落し、あとは寝るだけとなった。
「それじゃお休みなさい」
ルルカとユリアが仲良くイルカの部屋へと向かった。
「お休み」「また明日」等と挨拶し、去り行く背中に手を振ったのだった……。
ルルカとユリアが去った後、俺たちはリビングからカメの部屋へと移動し、それぞれ寝間着に着替えた。
「ふぁ~~」
ボタンをとめながら、思わず欠伸まじりのため息が出た。
はっきり言って大変な1日だった。ベッドを前にしたら急に疲れがどっと出た。もう早く休みたい。
──ドーンとベッドにダイブして、夢の中へ……とはいかないかねぇ……
「お子ちゃまはもう眠たいか?」
ポスっと頭にゲイルの手が乗った。
「……ちょっと疲れただけだよ」
その手をベシッと払ってやろうと思ったが、ふとスイカガメが火を吹いた時の事を思いだし、止めた。
「退かさないのか?」
そう言ってエリックの髪を、くしゃくしゃっと崩した。
「……別に……」
まぁ、もう寝るだけだからいいや。眠いし。
「……ふーん」
しばし赤い瞳でエリックを見つめ、乱すのを止めた。
グチャにした髪をスイっと手櫛で梳いた。
「さて、どうするか……」
くっつけたベッドを前に、ライオネルが腕をくみ、誰にともなくそう言った。
「皆はどうしたい?」
皆を振り返りつつ質問した。
「はい」
「エリック」
「ジャンケンで勝った人から寝る場所を決めたらいいと思います」
「はい」
「セリウス」
「それじゃ面白くないと思います」
「おい」
「ゲイル」
「適当に寝りゃいいだろ」
フリダシに戻った。
「もう何でもいいよ。別に面白さはいらないでしょ?ボクは早く寝たいんだ。ねぇ、ボクここでいいよね?」
ふぁーっと欠伸をしながらそう言い、モソモソとベッドにのぼり、ゴロンと転がった。
寝転ぶと急激に眠気に襲われた。
──誰と寝ようが、ただ眠るだけなんだから同じだ。もう考えるのがめんどくさい。 眠い。 皆だってそうだろ……?
「……皆もおいでよ」
来い来いと手招きをした。
「エリックってば、大胆!3人いっぺんに相手にするの!?」
セリウスが衝撃を受けたように小さく叫んだ。
「よし、じゃあ寝るか」
と、ゲイルが当然のようにエリックの隣に寝転がった。
「!そうだな」
サッとゲイルと反対側のエリックの隣にライオネルが陣取った。
「あ、出遅れた!エリック、こっちにおいでよ。ふふ、何なら僕の僕を見せてあげるよ?」
そう言って間に挟まれたエリックの頭の方に座り込み、エリックの前髪をかきあげるように額を撫でた。
「いや、見なくていい」
は?なんでそんなもん見るんだよ。意味わからん。
だいたいセリウスってばお風呂でもないのに皆の前で脱ぐの、嫌じゃないんかね?
そうか、貴族って昔から入浴のお世話されてるから、気にならないのか?
「そう?じゃあ触る?」
「…………なんでそうなるの。触んないよ」
他人のって興味はあるけど、触ろうとは普通思わないだろ……いや、思うのか?
イケメンならいいのか……?そんな事ない、よな……?
うーん……眠くて、頭が働かない…………セリウスの手が、冷たくて気持ちぃ……
「……ん~でも、興味、あるだろ……?」
セリウスが見透かしたようにニコニコ笑いながらそんな事を言い、何度も額を優しく撫でた。
「────無い……事も、無い……?」
……なんか、ボーッとする……。
「セリウス、俺は見たくない。エリックもエリックだ。なに気持ち良さそうにしてんだよ。振り払え」
と言ってゲイルが、エリックの額を撫でていたセリウスの手を、ぺいっと押しやった。
「私もこんなところで他人のモノなんぞ見たく無い。エリック、君は本当に流されやすいぞ」
少し不機嫌そうにトンっと額を突かれた。
両隣の二人に呆れたように見つめられた。
「ボクが悪いの?」
なんで?俺は何もしてなくない?
俺、見せてとも触らせてとも言ってない……あ、言ったか?
……でも、あれは別に見たくて言った訳じゃ……
「──僕だけじゃ嫌なら、ライオネルとゲイルのも見せてもらおうか、エリック」
と、押し退けられた手を見つめながらセリウスが言った。
「「えっ!?」」
「へ?」
「だって、見せろ!ってベルト掴んで放さなかったでしょ?君に恥をかかせたお詫びなんだから、僕だけ見せるんじゃ不公平だよね?」
「なんだそれは」
「セリウス、あれは冗談だろう」
「決めるのはエリックだよ。2人にも否は言わせないよ。さぁエリック、どうする?」
「────ボクは……」
金、赤、オレンジの瞳で見つめられた。
続くんかーーーーーい!再び。