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自治団体クロスレンジャー  作者: ムロチムシ
4/5

宿敵!追試のスペードブルー

 クロスレンジャ―のスペードブルーことアザラシ族のカイン・ペリジリアは頭を抱えていた。

その悩みの種が一年の頃に始めたバイトであった。

実家を離れ都会に移り住んだ彼は仕送りがあるとはいえ、食費や娯楽などの足りない費用を稼がなくてはならなかった。そんな彼は学生にしては大金が支払われるが「町の見回り」を掲げる何とも怪しいバイトを続けてなんと早三年目に突入していた。


(今まで何とか進級できてたけどこれから大学選びしないとだし。高卒とか無いでしょ…。そろそろ辞めても良いかなぁ。まさか”見回り”が覆面つけて謎の化学の力で変な奴らをぶっ飛ばす事なんて思わないでしょ。本当騙された…)

 しかし給料は美味しいのである。


(そもそもサポーターは多いのに実行部隊が俺とクレラさんの二人だけってありえなかったし!今は和美とチアちゃんが入ってくれたけどまだまだ足りないでしょ)

 しかしズルズルと続けてしまうのにはもう一つ理由があった。


(めっちゃクロスレンジャ―顔が広い!有名な芸能人に会えるしこの前なんか春夏秋冬ミミちゃんと握手しちゃったし。卒業してもクロスレンジャ―本部でそのまま社員として働かせてくれるとか千樹グループ傘下の会社に口利きしてくれるとか言ってるし。…でもなぁ、やっぱり高卒は嫌だなぁ)

 そうなのである。そもそもクロスレンジャ―は中々に知名度が高かった。

事件が起これば新聞の見出しを。怪人を撃退すれば町の人々には感謝をされる。

超高性能な探知機や高熱線を用いた武器など毎回新技術をもって怪人を撃退する様は週刊誌のトピックを飾るほどだ。

顔出しNGなのも想像を掻き立てられている。


 そして同時にカインを悩ませていた。

いつバレるか気が気じゃない上に怪人の出現時間は不定期。実行部隊は四人全員学生で理由をつけては学校を早退する始末。おかげでカインは学校では心臓病を患ってる病人扱いだ。

校長と担任は承認済みなので堂々と抜けられるが何時も友人達に悪いと思っている。

忙しすぎて部活も幽霊部員になってしまった。

学校を抜けるのは許されたが学業のひいきはしないと言われた手前、カインは泣きながら勉強に食らいついていた。


 ついでに赤点二教科取った。落とすことのできない大事な追試である。



ピーピーピー

 小さく通信機が鳴る。

画面には「怪人C出現。場所クサノギ公園広場」のメッセージが。

勉強もさせてくれないらしい。さっさと倒して帰る。

追試の二日前を迎えたカインはやる気に満ち溢れていた。





「うわーーーん!嫌いですクロスレンジャ~~~」

 尻尾を巻きながら怪人Cは吹っ飛ばされた。

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