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# プロローグ
誰しも1度は、物語の主人公を夢みると思う。
もしも俺が主人公だったら、ここでかっこよく敵をやっつけるのに、だとか。
もしも私が主人公だったら、この人より、こっちの人を選ぶのにな、だとか。
俺たちは、物語の中の"もしも"を夢みる。
だが、物語は。おとぎ話は。所詮はフィクション。終わりの決まっている空想に、俺たちは介入出来ないし、結末を変えることなど到底不可能である。
───でも、"人生"はどうだろうか?
その先の未来が、既に決まっているものが、目に見えるわけじゃない。
俺たちは、定まった物語の中を歩いているわけじゃない。
───だとしたら。
今からでも、遅くない。
いつだって、出発できる。
その準備さえ、整えば。
俺たちの"人生"は、変えることが出来るんだから─────






