計画実行
自警団が魔の森に向かった翌日、僕は日が昇る前に目を覚ました
自分の剣を持ち爺ちゃんをおこさない様に家を出る
まだ日が出る前という事もあって誰も起きていない
なぜ僕がこんな事をしているのかというと
昨日のロウとミリアのやりとりを見たからだ
ロウは自警団の遠征に荷物持ちながら参加し、遠回しながらもミリアにも告白をした
ロウに一気に先を越されてしまったので僕は巻き返しをするために今回の計画を実行する事にしたのだ
僕の考えた計画は至極単純だ
村を出て南東に向かった所にあるサイリ湖へ向かい魔獣を狩るという計画だ
まずサイリ湖の方なら魔の森に向かった自警団と鉢合わせになる事もないし湖の周りには弱い魔獣がたまに水を飲みに来るぐらいしかいないらしい、これなら僕でも魔獣を倒せるはずだ
ちなみにこの情報は村にいるハンター達からの情報だ
今回僕はその水を飲みに来た弱い魔物を一人で倒す、そしてあわよくばその手柄で自警団に入団させてもらおう
それに自警団の合格はロウに先を越されたが、魔獣を倒すのは僕が先にやらせてもらう
「フフフ、完璧な計画だ」
僕はできるだけ物音をたてない様に村を出ようとした
「なにしてるんですか?」
声のした方に振り向くとカーラちゃんがいた
ななな、なんでカーラちゃんがこんな時間にここにいるんだ?
僕は眠そうに目をこすっているカーラちゃんに
「なんでここにいるの?」と聞いた
するとカーラちゃんは
「お便所・・」と言った
「お、お便所・・?」
お便所って寝ぼけてるのかカーラちゃんは
「カーラちゃんこっちはお便所じゃないよ、あっちだよ」
僕は便所のある方を指をさして教えてあげた
「あ、ほんとだ」
と言いカーラちゃんはテクテクと歩いていこうとするが途中で止まり
「あれ?アレン兄はここで何をしていたんですか?」
とカーラちゃんが聞いてきた
僕とのさっきのやりとりで目が覚めてしまったらしく首をかしげながらこちらを見ている
ど、どうやってごまかそう
カーラちゃんが相手ならいくらでも誤魔化せそうな気がするけど・・
「カーラちゃんお兄ちゃんはこれから大事な用があるんだ」
「だいじな用?」
「そう大事な用、だからカーラちゃんには僕がここにいた事は秘密にしてほしいんだ」
「うん、わかった秘密にする」
その後僕が村を出るところをカーラちゃんが
「大事な用がんばってね」
と手を振って見送ってくれた
ふぅ、どうなる事かと思ったがこれで計画を実行できる
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「あれ?カーラこんな時間にどこいってたの?」
家に帰ってきたカーラちゃんに姉のミリアが問いかける
「あのね、姉ねヒミツなんだけどね誰にも言っちゃだめだよ――――」