焦り
自警団の入団試験が終わってから一週間がたった
今日ロウは初めて自警団の任務に参加する
自警団のおもな任務は村の治安維持
一攫千金を狙うハンターが多く集まるこのマルウ村はハンター同士のトラブルが多い
よって自警団員が村の治安維持に努めなければならない
それともう一つ大事な仕事がある
それは魔獣退治だ
魔の森の近くにあるこの村はつねに魔獣の脅威にさらされている
一攫千金を狙ったハンターがいるがハンターだけですべて対処するのは無理だ
よって自警団員があるていど魔獣の数を減らさなければならないのだ
そして今日ロウが参加する任務は魔獣退治だ
僕とミリアはロウが初任務という事で見送りにきている
ちなみにカーラちゃんは早い時間だからまだお休み中である
「ようアレン、今日は俺の晴れ舞台を見に来たのか?」
ニヤニヤしながらロウが近づいてきた
「うるさいな、それより荷物は大丈夫なのか?失敗して怒られてもしらないぞ」
「ロウ気を付けてねケガしちゃだめだよ」僕とミリアが言うと
「問題ない俺は優秀だからな」
ニカっと笑いながら言ってきた
「なぁ・・ミリアその、まぁなんだ・・」
と珍しくロウが歯切れの悪いしゃべりをしてきた
「どうしたの?」
ミリアが聞くとロウは深呼吸をし
「今日俺は荷物持ちだが自警団員として魔の森へ行く、ミリアもしよかったら俺が無事に帰れるように祈っいてくれないか?
ミリアが祈っていてくれれば俺はどんな困難にも立ち向かえる」
「祈っとけばいいの?わかった」
ミリアがそう言うとロウは
「よっしゃぁぁぁぁ!!」
と大声を上げて喜んでいた
こ、これは・・
ミリアが気づいていたかどうかは分からないが、これはロウなりの告白だ
遠回しな言い方だったが僕には分かる
僕より先に自警団の試験に合格し、僕より先にミリアに告白したロウ、
ことごとくをロウに先を越されてしまい僕は内心焦りを感じていた
こうなったら僕も行動をおこすしかない