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新生活 其の四

 それぞれ教室に戻った後は、教科書やら時間割やら、選択授業やらの説明を受け、あっという間に一時間が過ぎ、終了のチャイムが鳴った。

今日の午後は明後日行われる新入生歓迎会の打ち合わせを各部の部長と共にする予定で、その準備のため昼休みは生徒会室へ集合となっていた。


 「え、トリ今日も生徒会?」


 「いぐっちゃんは部活でしょ? 試合近いよな」


 「トリ、覚えててくれたんだ! 嬉しいなぁ」


 「……生徒会だからな」


 「……ナント」


 千早と航が姫李の席を挟んだまま会話をしていると、下から声が聞こえてきた。



 「ちょっと! 私の頭の上で会話するのやめてよ!」


 「しょうがないじゃん、姫ちゃんちっちゃいし」


 「むきー!! なにそれ! あんたたちがやけにでかいのよ!」


 バスケ部の航に負けないくらい、意外と千早も背が高かった。その二人に挟まれ、気分を害すのも無理ない。


 「姫、帰るわよ」


 朝絵が姫李に声をかける。


 「鳳くん、始業式のスピーチなかなかだったわ。でも、今週末の実力テストは負けないから」


 基本的にいつもテストの順位は五本の指に入る二人だが、最近は千早が一位、朝絵が二位という結果が続いていた。


 「野倉さんには負けたくないなぁ」


 おどけたように言う千早をじっと見つめながら、朝絵は姫李の腕を引っ張った。

 

 「朝絵よ。朝絵でいいわ、鳳くん……いえ、トリちゃん、だっけ?」


 くす、と笑いながら二人は教室を出て行った。


 「……朝絵さんって、わかんねえな」


 航が後ろ姿を見送りながら呟いた。


 「そうだな……にしてもトリちゃんって……」


 がっくりと肩を落とす千早。そして後ろからやかましい声が降ってくる。


 「ちょっとトリ! なんで俺が朝絵さんだめで、トリはいいの!? ねぇ、なんで!?」


 「それは仁がウザイからだろ」


 「ひどい!」


 相変わらずこの残念イケメンは朝絵の呼び方なんてものを気にしているようだが、千早にはもっと気にするべきものがあった。

 ちらりと教壇を見ると女子生徒に囲まれている羽野と目が合った。

 千早は羽野に話しかけようと席を立つが、後ろから紫音に引き止められた。


 「ちょっとどこ行くの。生徒会室行くよ? 私今日はマネ休むんだから。いぐっちゃん、みんなによろしくね」


 「ちょ、ちょっと……!」


 「はーい、ばいばーい」


 航は手をひらひらさせて紫音に引きずられる千早に笑顔を向けた。



 「いぐっちゃん、金曜合コン行かない? お嬢様学校との合コンだよ! どう?」


 「仁……いい加減一人に決めたら?」


 「俺の愛が一人だけのものなんてもったいないだろぉ!」



 ……本当に、残念なイケメンである。



まだくすぶります。もうちょいお付き合いください。

だって学校、書くの楽しいから!

青春なんてなかったから書きたいの!


拙い文章をお読みいただき、ありがとうございます。

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