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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
飛び出す子羊編

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アーシュ10歳3の月メルシェ2日目

今日2話目です。

さて、販売2日目は50用意して始まった。20代後半だろうかという女性が2人、手伝いに来てくれた。さすがに家事は慣れているのか、しっかりと手伝いをしてくれた。これなら明日からもう少し増やせるかも……あれ?小さい子がいる。


「小さいって、アーシュと同じくらいだろ?」

失礼な!もう11歳になりますよ。

「すみません、おうちにいなさいっていったでしょ」

「だって……」

「お子さんですか?」

「はい、4の月で8歳になります」

「学校行く?」

「うん!」

「お母さんといたい?」

「うん!」

「じゃあ、きちんと働けるかな?」

「ここで?」

「そう。早起きして、働いて、ごはん食べて、時間になったら学校に行く。できる?」

「できる!」

「お母さん、ギルド長から許可が出たら、一緒に働いていいですよ。ただししっかり働いてもらいますよ」

「ほんとですか!」

「小さい子だから、1時間100ギルですけど」

「お金はかまいません。ひとりで置いておくのが心配で……」

「うちも、うちもいいですか。9歳なんですが、心配で……」

「かまいませんよ。正式には4月からですが」

「「はい!お願いします!」」


ということでちびっこも加わった。50でも足りなかったが、60では余る気もする。とにかくあと8日は、50で行ってみようということになった。


ちなみに、お茶は昨日から販売していて順調だ。やはりセロとウィルが売り子をしていて、おもしろかった。


「ギルド長、お茶販売自体は、この10日間でも体制が作れます。働く人さえ確保できれば、メリルの支部のような形で、このまま継続してできると思います。お茶や何かをメリルから買いつけるので、利益率は多少落ちますがどうしますか?」

「あー、よろしく頼むわ」

「はい、なあ、アーシュ、暇な時にでも来て、仕入れをメルシェでできるようにしといてくれないか、いつまでもメリルに頼るようではダメだからな」

「夏以降になるよ?」

「オレ、たぶん来れないからさ」

「わかった、いいよ」

「では、午後の3時間、働く人を確保したいのですが」

「わ、わかった」

「ギルド長」

「なんだ、アーシュ」

「朝、働いてる人のお子さんも一緒に雇いたいんですが」

「いけるのか?」

「私たちも、その頃働いていたので大丈夫だと思います。1時間100ギルですし」

「そ、そうか」


「じゃあ、アメリアさんに追加の水筒と、メリルのお茶部門に資材の追加を手紙で」

「ついでにオートミールと獣脂を追加でナッシュに」



「なんだろ、これ」

「動き出したら、あっという間ですね」

「巻き込まれてこっちまで動いちまう」

「私もメリルのギルドで働こうかしら」

「おいおい」


そんな一週間だった。あと3日は、マリアとソフィーに任せて、私たちは荷物持ち、セロとウィルは冒険者に戻る。


「やっぱり冒険者だな」

「よし、やるか!アーシュ、マル、まだ一緒には行けないけど、荷物持ちがんばれよ」

「ありがとう。がんばる!」

「がんばる!」


「あ、お前ら、メリルのお茶を入れてくれる荷物持ちだ!なんでメルシェに?」

「あ、メリルのダンジョンではお世話になりました。出張販売で来てたんですが、落ち着いたので3日だけ」

「今日もお茶の用意できるか?」

「別料金ですよ?」

「分かってるって、頼むな」

「「はい、よろしくお願いします!」」


「ずるくね?」

「早いもん勝ちだろ」

「なあ、明日は俺たちと来ないか?」

「しかたねえなあ、日替わりでいいか?」

「「はい、大丈夫です」」

「じゃあ、今日は俺達とな」


慣れないダンジョンではあったが、がんばった。お茶も入れたし、ラットも倒した。やはり、冒険者になるには荷物持ちの経験は大事だ。


そして、メルシェを発つ日がやってきた。宿屋のおばちゃんは、「4の月に待ってるからね」

と言ってくれた。


「まあ、思った通り好評だったし、4の月からは正式に頼むわ」

「ではナッシュでお試ししてから、4の月にもどってきます」

「気をつけて行けよ」

「「「「行ってきます!」」」」


「気持ちいい、風のような子どもたちだったな」

「子どもばかりではないですけどね」

「姉さんがたが、あのやんちゃなお子ちゃまたちをうまくゆるくまとめていたなあ」

「みんな何かしら役割があって、違う方向を見てるのにまとまっていて、不思議でしたね」

「早く戻ってこい。4の月が楽しみだ」


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