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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
集まる子羊編
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アーシュ7歳3の月4週目

今日2話目です。

3の月4週目に入った。


やおやのおばあちゃんに頼まれて、教会の敷地に生えている、ギザ草をおろしている。春の山菜だそうで、わざわざ畑では育てない。でも、春に食べたい人が多いらしく、一定の需要がある。


3束ほど集めて、馬房に行く前にあずけていく。100ギルで売り、おばあちゃんに手数料を100ギルはらう。200ギルのもうけだ。


もちろん、ご飯にも使っている。

解体所の削り肉と、炒めて食べるとおいしいのだが、野菜を食べる習慣のないセロたちには、最初とても不評だった。

けど、好き嫌いはいけないからね!

夕ご飯は、野菜スープと野菜と肉の炒め物にグレードアップした!


解体所のいらない脂身の部分も、先週もらってきてみた。

物置で見つけた鍋に、水とサイコロ状にした脂身を入れてゆっくり煮出す。塩を少しいれて冷ますと、上澄みにきれいな獣脂がたまっているというわけだ。これで炒め物にも困らない。


また、コッカの卵も買ってみた。200ギルするのだが、さすがに卵もニワトリの5倍くらいある。ゆでて酢と塩で味付けした卵を、パンに獣脂を薄くぬって、ギザの葉を置き、はさむと、卵サンドの出来上がりだ。


来週からの荷物持ちに、お弁当がいるからね!

お豆も、つぶしてニンニクと塩で味付けをし、スープで少しゆるめると、パンにぬるのにちょうどよくなる。


朝ごはんに、燕麦の干したのをコミルで煮たおかゆも好評だった。トマトの季節になったら、かあちゃんが好きだったトマトとお豆の煮物もできるね。


ところで、ここ2週間、生活魔法を使いまくっていたら、たくさん使えるようになってきたんだ。かあちゃんととうちゃんといたときは、お手伝いに過ぎなかったのが、メインの仕事になったからかな。使えば伸びるなら、使うしかない。セロにもウィルにも、マルにもどんどん使わせてる、こき使っているわけではないのよ?


ねる前にみんなで、ライトを使いまくったり、風を吹かせたりしている。今は、ライトをいくつ出せるかウィルとの競争になってる。昨日私が3つ出せたものだから、ウィルのくやしがることと言ったらなかった。


ウィルといえば、マルと同じでコミュニケーションが苦手、クールっておもってたけど、実は熱血漢だったり、セロがしっかりしているようで、好き嫌いが多くて甘えん坊だったりと、いろいろわかった。


でも、いちばん驚いたのはマルだった。コミュニケーションが苦手というより、自分より大きな人が怖かっただけ。私は小さかった(少しだけね)から、大丈夫だったんだって。私が大人とも話してるのを見て、大きい人も大丈夫ってわかったみたい。


そして3人とも、すごく運動神経がいいみたい。走るの早いし、山でも疲れないし、ついていくのがつらい……。頑張るんだ!


悲しい事があったなんて、ずいぶん前のことみたい……。かあちゃん、とうちゃん、私の手は小さいけど、仲間とつないだら大きなまるになるんだよ。

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