アーシュ10歳5の月3週目
今日2話目です。短めです。
西ギルドの朝食、ランチは70食前後で落ち着いてきた。もう、やり方のわかっているダンは、学院終わりに抜けてきて、東ギルドでのお茶販売にがんばっている。西も東も、そろそろ冷たいお茶も人気が出てきた。パウンドケーキは、基本の分量がそろったので、若夫婦の奥さんに任せている。そうして3週目の5の日、ついに東ギルドでの朝食、ランチの販売が決定した。これから追加で1ヶ月間、王都にいることになった。さらに6の日、
「王都に来ておるのなら、学院に顔を出すべきじゃろう」
「あ、学院のおじいちゃん」
「アーシュ、この方は、学院の副校長先生だ」
と、ザッシュ。
「先生!帝国語の」
「そうじゃ。勉強は進んでおるかの」
「発音が難しくて」
『 帝国語の勉強は好きですか』とおじいちゃん。
『 はい、好きです。でも、難しいです』
「なるほど、発音は今ひとつだが、しかしちゃんと答えられるとは、勉強はしておるようじゃな」
「みんなでやってるの」
「そうか、ならば午後だけでも学院に来ぬかの」
「夏休みだけじゃなくて?」
「もちろん、義務ではない。しかしの、学院の生徒なのだから、いつ学校に来てもいいんじゃ。午後のクラスに出てもよいし、放課後の帝国語のクラブに出てもよいだろうし。もちろん、帝国語だけでなく、経済や数学の授業もあるぞ」
「みんな、どうする?」
「もしアーシュとマルが大丈夫なら、オレたちは夏休みにまとめて行くよ。学院なら危険なこともないだろうし。もともと、ダンジョンに1日もぐってるしな」
と、セロとウィル。ニコとブランは、
「ザッシュがいるなら大丈夫だろ。オレたちも今はダンジョンにいたい」
「マルはアーシュと行く」
「私は午後は自由だし、学院に行ってみたい。制服とかどうするのかな」
とソフィー。
「制服は貸し出されるはずじゃ」
「それなら行きたいわ」
とマリア。
4の週から1ヶ月間、午後の2時間と、クラブに参加することになった。




