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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
飛び出す子羊編

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77/307

7の日の夜続き

今日2話目です。

「そこでみんなに相談がある。とりあえずアーシュ、女の子に受けそうな菓子、作れないかな。子羊館で、よくオレの父さんとか領主様に出してただろ」

「うーん、実は今考えてるお菓子があって、試作してみるね」

「ありがとう!考えてる店の場所は、中央広場のそばなんだ。父さんは言えば必ず金は出してくれる。けど、できれば自分で、自分たちだけでやりたいんだ」

「予算はどのくらいなの?」

「一番が家賃。改装資金。それから儲けが出るまでの活動資金。店員を雇うにしても、ギルドのお茶販売みたいには行かないし、人件費もあわせて、最低500万。それで最初の3ヶ月分。うまくいかなかったらまるまる損になる」

「なあ、ダン、まだ学院も1年生だし、焦らなくていいんじゃないのか」

「ザッシュ、でもな、ギルドのお茶販売を見て、考えるやつは考え始めてると思うんだ。あと3年は待ちたくない」

「確かに、獣脂工場できたばかりなのに、もう屋台で揚げ物に使ってる人いたよ」

「そうか、アーシュ、やはり動きが早いな。学院を見てても、需要はあると思うんだ」

「それで、何をしてほしいんだ?」

「クリフ、活動資金を出してほしいんだ」

「オレ達がか?」

「そう」

「ちょっと待て。考えたこともないぞ、そんなこと。一人いくらだ」

「1人50万」

「そのお金は」

「儲かったら返す。利子をつけて」

「うーん。そのくらいの金はある。けど、オレたち今、冒険者としてほとんど稼げてないからな。考えさせてくれ」

「もちろん、すぐにとは言わないよ。特にセロとウィルは冒険者なりたてでつらいだろうし」

「「アーシュ、オレたちつらいのか?」」

「ん、いざとなったらパーティ費から出せるよ。自分の財政、わかってるよね」

「じゃあ、オレは出す。ダンの夢を応援したい」

「冒険者と商人では、賭けるとこが違うんだろ。オレもかまわない。金なら稼げる」

「マルも大丈夫」

「私は100万出す」

「アーシュは思い切りがいいからな」

「私たちも出すわ」

「マリア、ソフィー」

「オレたちも出すと思う。ただ、オレたち4人分は少し待ってくれ」

「無理を言ってすまない。でも、これで、離れていても、オレたち11人つながってられる気がして」

「わかってるって」

「うまく行けば出した分以上にもうかるよ!」

「「アーシュ、いい話だったのに……」」


「お茶の他に、考えてる飲み物があるんだ。アーシュ、一緒に飲み方を考えてくれ」

「いいよー。楽しみだね」

「出店は、9の月を考えてる。8の月に学院に来て、そのまま少し出だしを見てからメリルに帰ればいいだろ?」

「早いな」


「だって、な、アーシュ」

「「走り出したから、止められない」」

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