7の日の夜続き
今日2話目です。
「そこでみんなに相談がある。とりあえずアーシュ、女の子に受けそうな菓子、作れないかな。子羊館で、よくオレの父さんとか領主様に出してただろ」
「うーん、実は今考えてるお菓子があって、試作してみるね」
「ありがとう!考えてる店の場所は、中央広場のそばなんだ。父さんは言えば必ず金は出してくれる。けど、できれば自分で、自分たちだけでやりたいんだ」
「予算はどのくらいなの?」
「一番が家賃。改装資金。それから儲けが出るまでの活動資金。店員を雇うにしても、ギルドのお茶販売みたいには行かないし、人件費もあわせて、最低500万。それで最初の3ヶ月分。うまくいかなかったらまるまる損になる」
「なあ、ダン、まだ学院も1年生だし、焦らなくていいんじゃないのか」
「ザッシュ、でもな、ギルドのお茶販売を見て、考えるやつは考え始めてると思うんだ。あと3年は待ちたくない」
「確かに、獣脂工場できたばかりなのに、もう屋台で揚げ物に使ってる人いたよ」
「そうか、アーシュ、やはり動きが早いな。学院を見てても、需要はあると思うんだ」
「それで、何をしてほしいんだ?」
「クリフ、活動資金を出してほしいんだ」
「オレ達がか?」
「そう」
「ちょっと待て。考えたこともないぞ、そんなこと。一人いくらだ」
「1人50万」
「そのお金は」
「儲かったら返す。利子をつけて」
「うーん。そのくらいの金はある。けど、オレたち今、冒険者としてほとんど稼げてないからな。考えさせてくれ」
「もちろん、すぐにとは言わないよ。特にセロとウィルは冒険者なりたてでつらいだろうし」
「「アーシュ、オレたちつらいのか?」」
「ん、いざとなったらパーティ費から出せるよ。自分の財政、わかってるよね」
「じゃあ、オレは出す。ダンの夢を応援したい」
「冒険者と商人では、賭けるとこが違うんだろ。オレもかまわない。金なら稼げる」
「マルも大丈夫」
「私は100万出す」
「アーシュは思い切りがいいからな」
「私たちも出すわ」
「マリア、ソフィー」
「オレたちも出すと思う。ただ、オレたち4人分は少し待ってくれ」
「無理を言ってすまない。でも、これで、離れていても、オレたち11人つながってられる気がして」
「わかってるって」
「うまく行けば出した分以上にもうかるよ!」
「「アーシュ、いい話だったのに……」」
「お茶の他に、考えてる飲み物があるんだ。アーシュ、一緒に飲み方を考えてくれ」
「いいよー。楽しみだね」
「出店は、9の月を考えてる。8の月に学院に来て、そのまま少し出だしを見てからメリルに帰ればいいだろ?」
「早いな」
「だって、な、アーシュ」
「「走り出したから、止められない」」




